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 「2019年度を“Open Innovation Era”(オープンイノベーションの時代)と位置付け、世の中に埋もれている有望な人材やアイデアの発掘と事業化支援を加速していく」――。

 ソニーは、スタートアップ創出と事業運営を支援するプログラム「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」を紹介するイベント「Sony Open Innovation Day 2019」を2019年7月に開催した。イベントに登壇したソニー Startup Acceleration部門 副部門長 Startup Acceleration部 統括部長 兼 Open Innovation & Collaboration部 統括部長の小田島伸至氏は、冒頭のように述べオープンイノベーションをこれまで以上に加速していく姿勢を強調した。

ソニー Startup Acceleration部門 副部門長 Startup Acceleration部 統括部長 兼 Open Innovation & Collaboration部 統括部長の小田島伸至氏
ソニー Startup Acceleration部門 副部門長 Startup Acceleration部 統括部長 兼 Open Innovation & Collaboration部 統括部長の小田島伸至氏
(撮影:日経 xTECH)
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 SSAPは、ソニーが2014年から社内向けに実施してきた新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(シード・アクセラレーション・プログラム、SAP)」を2019年2月20日に社外向けプログラムとして刷新したもの。SAPはこれまで、アロマディフューザー「AROMASTIC」やスマートウオッチ「wena wrist」、ロボット玩具「toio」などの新規事業の立ち上げを担ってきた。

 これらの事業化で培ってきた社内のノウハウをベースに、SSAPはベンチャー企業や大学、一般企業の新規事業などに対して支援プログラムを提供する。提供するプログラムの内容は事業化の段階ごとに4つに分かれる。具体的には、ワークショップやピッチイベントを通してアイデアを創出する「アイディエーション」、プロトタイプやビジネスモデルを作る「インキュベーション」、ニーズを可視化する「マーケティング」、そして事業をスケールさせる「エクスパンション」である。

SSAPでは新事業立ち上げを4つのステップに分け、ベンチャーや大学、社外企業などを支援する
SSAPでは新事業立ち上げを4つのステップに分け、ベンチャーや大学、社外企業などを支援する
(撮影:日経 xTECH)
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 プログラムを4段階に分けた理由について小田島氏は、スタートアップの立ち上げには事業の段階ごとに様々な壁があると指摘。例えば、初期段階で人材リソースが不足していたり、事業のスタートを切った後に外部からバックアップを得られず挫折したりするなどのケースだ。「壁の高さが見えないことは(起業家にとって)ハードルが高い。事業化の仕組みが次世代に残るように、新たなアイデアを事業として黒字化するまでを小分けにしてサポートする」(小田島氏)。

 事業化の各段階において、商品開発に携わってきたソニーのメンバーが支援する。小田島氏は、優れたビジネスのビジョンやアイデアを持つ起業家について「必ずしも(投資家や消費者に)分かりやすく説明するスキルや量産化のノウハウを十分に持っているわけではない」とみる。例えばインキュベーションの段階では、ソニー社内のプロデューサー、エンジニア、デザイナーの専門部隊が事業のアクセラレーターとして“三位一体”で支援する。