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主張に大きな食い違い

 大正製薬は、光触媒という新たな技術を適用した製品を発売した。エビデンスを用意していたものの、消費者庁は「表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認めらない」と判断した。

 消費者庁の主張に対して、研究開発を担う高橋健三氏は「想定するメカニズムが実使用時に発生しているのかを直接示せと言われても、それはかなり難しい。我々は論理的に筋道を立てて説明できるような試験系を考え、それを積み上げることで、効果が期待できるだろうと説明している」と反論する。

 今回の件を受けて、社内の商品開発体制を見直すといった変更が必要な部分があるかを聞いたところ、常務執行役員の高橋伊津美氏は「改善すべきところはない」と断言した。さらに、今回の件は「結論ありきで動いているように感じる」と消費者庁への不信感を示した。そのうえで「優良誤認(景品表示法の第5条第1号)に該当とするという指摘の的確な根拠が示されていないことが今後争う点だ。さらに(用いた技術や表示内容、措置命令の内容が異なる)4社をまとめて発表して一緒に扱われたことも甚だ遺憾である」(高橋伊津美氏)とした。

 大正製薬は、不服申し立てでも自社の主張が認められなければ、国(代表者法務大臣)を相手に処分取り消しの訴えを起こす方針である。なお、処分に不服がある場合には3カ月以内に消費者庁に審査請求をすることができ、訴訟により処分の取り消しを求める場合には6カ月以内に国を被告として提起することができる。

 新たな技術を製品に適用することは、既存製品との差異化のために、あらゆる分野の企業が取り組んでいることだ。こうした際にエビデンスをどのように示していけば良く、どのように表現すればいいのか。大正製薬と消費者庁の論争にそのヒントが見つかるかもしれない。