ダイハツ工業は2019年7月29日、アクセルペダルの踏み間違いによる急発進を防ぐ装置の搭載可能車種を、軽自動車の5代目「ムーヴ」と初代「ミライース」に広げたと発表した。既に販売した車両に超音波センサーなどを後付けで装着し、エンジンの出力を抑えて前進時と後退時の急発進を抑制するものである。自動でブレーキはかけない(図1)。
5代目のムーヴ については 2010年12月~2012年12月に生産した車両、初代のミライースについては2011年9月~2013年8月に生産した車両のうち、いずれもCVT(無段変速機)搭載車が対象になる。
同社は2019年4月までに、軽自動車の2代目「タント」や4代目「ムーヴ」、7代目「ミラ」など既販車の6車種(6モデル)に、同装置を搭載できるようにしていた。今回の2車種を加えて、対象車種は7車種(8モデル)になった。
これにより、ダイハツの軽自動車の保有台数(約970万台)のうち約半数が、新型車向けの予防安全機能「スマートアシスト」搭載車と、後付け装置の対象車両になった注)。
今回の装置は従来と同様、車両前後の障害物を検知する超音波センサーとエンジン出力を制御する機器、車内に取り付ける表示器で構成する。超音波センサーは、前後のバンパーに合計4個を装着する。
車両の前方と後方の3m以内にある障害物を超音波センサーで検知し、運転者がアクセルペダルを強く踏んだ場合に、アクセルペダルの踏み間違いとシステムが判断して急発進を抑制する。具体的には、インジェクター(燃料噴射装置)からの燃料の供給を止めて、エンジンの出力が上がらないようにする。