テクノロジーを駆使して体や足のサイズを測る「サイズテック」がファッション業界で注目を集めている。日本でも取り組みが進むなか、海外大手が日本に上陸する。
デンマークの靴ブランド「ECCO(エコー)」を販売するエコー・ジャパンは2019年8月28日、伊勢丹新宿店で3D足型計測機を使うオーダーメードのスニーカーを発売する。足型や歩行データをAI(人工知能)が解析し、最適なミッドソール(中底)を3Dプリンターで60分かけて「印刷」。1人ひとりの足にぴったり合うオリジナルのスニーカーを提案する。
エコー・ジャパンのミッドソールを印刷する3Dプリンター
ミッドソールは60分ほどで印刷される
「靴の性能の7割を決めるのがミッドソールだ。そこに着目して差異化を図る」。エコー・ジャパンの犬塚景子社長はこう強調する。
靴底とインソール(中敷き)の間に挟まるミッドソールは足を正しく支えて体重を分散させる役割を持ち、歩行時の履き心地を左右する。エコーはここに注目し、個人個人の足に最適なミッドソールを提供しようと考えたわけだ。
わずか15秒で足型3Dデータ
足の計測からミッドソールの製造までの流れはこうだ。まず靴を脱いだ状態で3D足型計測機に乗ると、計測機が足の形や特徴を3Dデータで捉える。計測は15秒ほどで完了する。
計測機は足の長さや幅、足囲(親指の付け根から小指の付け根までの外周)のほか、土踏まずの高さやかかとの幅などのデータを取得する。測定した人はタブレットで各種データを3D画像とともに確認できる。
次に、センサーを内蔵したシューズに履き替えて、ランニングマシンの上を約30秒間歩く。踏み込む力や着地時の衝撃、靴の擦り方といった歩行に関する特徴をデータ化するためだ。