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 物流大手のヤマトホールディングス(YHD)と米大手ヘリコプターメーカーの米ベルヘリコプター(Bell Helicopter、以下ベル)が共同で開発中の「空飛ぶトラック」。ベルが開発した自律飛行が可能な電動の垂直離着陸(eVTOL)機に、YHDが開発した新型輸送容器(ポッド)「PUPA(ピューパ、Pod Unit for Parcel Air-transportation)」を搭載する。2019年8月26日(現地時間)には、可搬量(ペイロード)が70ポンド(約31.8kg)の機体「APT70」による飛行デモを報道機関などに向けて披露した(飛行デモの動画付き関連記事)。併せて、YHDはAPT70向けに開発したPUPAの試作機を公開。PUPAを起点にした、新たな物流の仕組みを考えていることを明らかにした。すなわち、この新しい輸送容器が次世代物流の「使い勝手を左右する、価値そのもの」(YHD 社長室 eVTOLプロジェクト チーフR&Dスペシャリストの伊藤佑氏)だという。

奥側がAPT70の試作機で、手前側がPUPAの試作機(新しい輸送容器)。ATP70にはPUPAとは別のベルの輸送容器が付いている(撮影:日経 xTECH)
奥側がAPT70の試作機で、手前側がPUPAの試作機(新しい輸送容器)。ATP70にはPUPAとは別のベルの輸送容器が付いている(撮影:日経 xTECH)
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荷物を搭載する場所(撮影:日経 xTECH)
荷物を搭載する場所(撮影:日経 xTECH)
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 YHDは新しい輸送容器を、自律飛行が可能なeVTOL機による空の輸送と、人手やトラックなどによる陸の輸送を途切れなく(シームレスに)行えるように設計した。PUPAとはチョウのサナギを意味する。「チョウであれば、サナギは空中を舞う成虫と地上にいる幼虫とをつなぐもの。これと同じように、PUPAにはドローン(無人航空機)による空輸と陸上輸送をつなぐものという思いを込めている」(同氏)。

PUPAの特徴などを説明するYHDの伊藤氏。飛行デモの現場は日光が強く、まぶしかった(撮影:日経 xTECH)
PUPAの特徴などを説明するYHDの伊藤氏。飛行デモの現場は日光が強く、まぶしかった(撮影:日経 xTECH)
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 PUPAでは、地上での荷上げ・荷下ろしや搬送を容易にするために、変形機構などを取り入れた。地上では台車のように利用でき、eVTOL機に搭載する際には、その名の通りサナギのような形状になる。この変形を可能にするために、旅客機のように車輪を格納できる機構や、着脱可能な取っ手などを設けている。さらに、陸上に専用の施設や設備を設ける必要がないようにした。