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 ドイツ・コンチネンタル(Continental)は、「変則」2眼カメラを開発した(図1)。車両の前方監視と運転者モニタリングの機能を1台のモジュールに統合した。2021年に量産を開始する予定である。

図1 2021年に量産を始める新型カメラモジュールのモックアップ
図1 2021年に量産を始める新型カメラモジュールのモックアップ
2個のCMOSイメージセンサーで取得したデータを、ルネサスエレクトロニクスの「R-Car V3M」で処理する。(撮影:日経Automotive)
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 車両前方を監視するステレオカメラや視野角の異なる2つのレンズを搭載するカメラなど、2眼カメラ自体は珍しくない。だが、Continentalの開発品のように、車外と車内の状況を1台のモジュールで認識できる2眼カメラの開発事例は少ない(図2)。

図2 カメラはフロントウインドー上部の室内側に装着
図2 カメラはフロントウインドー上部の室内側に装着
前方監視と運転者モニタリングの機能を1台のカメラモジュールで実現する。(出所:Continental)
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 Continentalが「変則」2眼カメラを開発した狙いは、コストの低減にある。カメラで撮影したデータを解析する画像処理チップを1個に減らした。これまでは、前方監視と運転者モニタリングのそれぞれのカメラに画像処理チップが必要だった。

 カメラモジュールの“頭脳”となる画像処理チップは、ルネサスエレクトロニクスのSoC(System on Chip)「R-Car V3M」である。R-Car V3Mで、2個のカメラからのデータを処理する。前方監視用カメラに使うCMOSイメージセンサーは、100万~800万画素の範囲で選択できる。運転者モニタリング用のCMOSイメージセンサーは100万画素程度。

認識アルゴリズムにAI採用

 開発したカメラモジュールのうち、前方監視機能には物体の認識アルゴリズムに人工知能(AI)の一種であるニューラルネットワークを採用した。Continentalが「2019年内に量産する単眼カメラの第5世代品向けに開発した技術を活用した」(同社の開発担当者)という。

 物体認識に用いるニューラルネットワークはCNN(Convolutional Neural Network)。CNNを使うことで、自動車や人だけでなく、道路や信号などを含む運転シーン全体を認識できるようにした。CNNは、「Continentalの内製で、ドイツの研究拠点で開発した」(同担当者)。

 CNNを含むAIは一般に高い処理能力を持つコンピューターが必要になる場合が多いが、Continentalの開発品は従来の前方監視用カメラと同様に、フロントウインドー上部の室内側に装着できる。

 カメラの演算負荷が高いと消費電力が増えて放熱部品が大きくなり、フロントウインドーの上部への搭載が難しくなる。直射日光が当たる影響もあり、狭くて熱がこもりやすいためだ。

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