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 ドイツBMWは、小型ハッチバックの新型「1シリーズ」で手放し運転機能の採用を見送った(図1)。同社の関係者によると、ステアリングホイールから手を離したまま運転できる機能の実現には「高コストな3眼カメラが必要で、車両価格を抑えることを優先した」という。

図1 BMWの新型「1シリーズ」
図1 BMWの新型「1シリーズ」
日本では2019年8月29日に販売を開始した。(撮影:日経Automotive)
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 「ADAS(先進運転支援システム)は日本では標準機能になりつつあるが、欧州をはじめとする世界ではオプション装備にとどまる。1シリーズのようなエントリーグレードの小型車向けの手放し運転機能は開発していない」。

 同関係者がこう語るように、BMWは車格に応じて搭載するADASの機能を分ける。具体的には、駆動方式にFF(前部エンジン・前輪駆動)を採用する1シリーズや2シリーズ「アクティブツアラー」「グランツアラー」などの小型車は当面、手放し運転に代表される高度な運転支援機能を搭載しない方針だ。このため、車両の前方監視には単眼カメラを使う(図2)。

図2 1シリーズの前方監視用カメラは単眼式
図2 1シリーズの前方監視用カメラは単眼式
(撮影:日経Automotive)
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 一方、主力セダンの「3シリーズ」以上のモデルには手放し運転できる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載する。現状、3シリーズの他には、高級セダン「7シリーズ」や「8シリーズ(クーペ、カブリオレ)」、SUV(多目的スポーツ車)の「X5」や「X7」が対応する。

 同機能は、日本では2019年8月末から導入している。高速自動車国道法が定める「高速自動車国道」および「指定都市高速道路」において、渋滞時の車両制御を行う。運転者が前方を注視しており直ちにステアリングを操作できる状態であることを検知していれば、時速60km以下の場合、運転者がステアリングから手を離したまま運転を継続できる。

 手放し運転に対応するためには「3眼カメラが必須」(BMW日本法人の担当者)という。3眼カメラは、遠距離・中距離・近距離の状況を把握できるもので、単眼カメラやステレオカメラに比べて、より広範囲での障害物検知が可能だ。