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 5G(第5世代移動通信システム)サービスの本格スタートを控え、AR(拡張現実)が注目を集めている。5Gの高速大容量な通信や低遅延、多数端末接続といった特徴により、高詳細映像のコンテンツ配信や多くの端末へのリアルタイム配信が可能になるからだ。

 調査会社のIDC Japanが2019年6月に発表した報告書によれば、AR/VR(仮想現実)に関連する製品・サービスの世界市場規模が今後、急拡大するという。同社はAR/VRのハードウエアとソフトウエア、関連サービスの支出額が2018年は89億ドル(1ドル106円換算で9434億円)から2019年は168.5億ドル(同1兆7861億円)と2倍近くに伸び、2023年には1606.5億ドル(同17兆289億円)に達すると予測している。

 ただし、ARの普及には課題がある。その1つが専用ネーティブアプリの存在だ。現時点では、専用ネーティブアプリでカメラを起動し、コンテンツを登録したARマーカーを読み取り、表示するのが一般的。これではARマーカーを見つけても、読み取るのにネーティブアプリをダウンロードし、起動しなければならない。コンテンツの表示までに手間と時間がかかるようでは、試そうという気持ちも薄れてしまうだろう。

 ネーティブアプリを開発するエンジニア側にも負担はある。スマホのOSごとにアプリを開発しなければならない。アプリの配布にはApp StoreやGoogle Playストアの承認が必要だ。開発したアプリをユーザーがダウンロードできるようになるまで時間を要することもある。

ブラウザーだけでARコンテンツを表示

 「ARは面倒くさい」――。こうした認識を一変させる技術が広がりつつある。それがARマーカーをWebアプリで読み取る「WebAR」だ。

 Webアプリはブラウザーさえあれば動くため、App StoreやGoogle Playストアからネーティブアプリをダウンロードせずに済む。スマホカメラをブラウザーから使えるようにする許可は必要だが、ブラウザーだけでARコンテンツを表示できるのは大きなメリットだ。

 WebARでコンテンツを配布できるサービスも登場している。その1つがスターティアラボが2019年4月に商用サービスを開始した「LESSAR(レッサー)」だ。同サービスを使えば、ブラウザーから決められたARマーカーを読み取り、作成したARコンテンツを表示できるようになる。

LESSAR(レッサー)の仕組み
LESSAR(レッサー)の仕組み
(出所:スターティアラボ)
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