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 名古屋大学などによる自動運転プロジェクトの実験車が2019年8月26日に接触事故を起こした問題で、名古屋大は現時点での推定原因を明らかにした。自車の向きを誤って検出し、向きを修正しようと操舵したことが原因だという。今後は詳細な原因を究明するとともに、再発防止策を検討する。再発防止策を確立するまで、予定していた公道での走行実験を停止する。

接触事故を起こした自動運転車両(出所:豊田市、名古屋大学)
接触事故を起こした自動運転車両(出所:豊田市、名古屋大学)
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 同プロジェクトは、名古屋大COI(センター・オブ・イノベーション)の「ゆっくり自動運転」。時速20km以下の低速自動運転技術によって無人運転の地域内移動サービスを実現し、「人や社会と協調する」(名古屋大)ことをコンセプトとしている。2017年度から愛知県豊田市や同県春日井市などで、公道での走行実験を実施してきた。今回の事故は、豊田市の市道での走行実験で起きた。

 ゆっくり自動運転では、トヨタ車体の超小型電気自動車(EV)「コムス」ベースの1号機と、ヤマハ発動機の特装車「ランドカー」(リチウムイオン電池搭載のEVモデル)ベースの2号機を使っている他、トヨタ自動車のミニバン「アルファード」ベースの3号機を製作する予定があるという。今回の事故は、2号機によるものだ。名古屋大が開発した自動運転ソフトや、レーザーレーダー(LiDAR)などから成る自動運転用センサーモジュールを搭載する。

 公道の走行に当たっては、あらかじめ道路およびその周辺の3次元構造を計測しておき、地図と併せ持つ。そして、実際の走行時にLiDARの情報と照合し、位置合わせをしている。誤差は10cm以内。この他、交差/合流しようとしている車両の検出や、カメラ情報による歩行者の検出も可能である。危険な状況だと判断した場合は自動で停止し、安全な状況になってから再発進する機能も備える。

 今回の事故では、直前まで目標経路に沿ってほぼ真っすぐに時速14km程度で走行しており、自車の位置と向きも正確に検出していた。ところが、事故発生1.3秒前に自車の向きが目標経路に対して左に56°傾いていると誤検出。この結果を受けて自動で右方向に操舵したところ、ちょうど後方から追い抜こうとしていた一般の乗用車と衝突した。双方の車両が損傷したものの、けが人やガードレールの損傷などは無かった。誤検出の原因は現時点で不明だという、

事故直前の自車位置および向きの推定結果(出所:豊田市、名古屋大学)
事故直前の自車位置および向きの推定結果(出所:豊田市、名古屋大学)
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