全2156文字
PR

GPUのない「普通のパソコン」で手書き文字を読み取る

 Zinraiの手書き文字認識ソフトは本来クラウドなどで動かす。しかし、個人情報を社外に出さなくても済むように、PFUはあえてAIオプションソフトに手書き文字認識の機能を組み込み、パソコンで動かせるようにした。加えて、文字認識の学習モデルを工夫して、GPUを搭載しない「普通のパソコン」でもGPU搭載の高性能パソコンと同じ処理速度で認識できるように仕上げた。

DynaEye 10のAIオプションソフト「AI日本語手書きOCRオプション」の読み取り結果の例。Zinraiと書かれた項目がオプションソフトの読み取り結果になる
DynaEye 10のAIオプションソフト「AI日本語手書きOCRオプション」の読み取り結果の例。Zinraiと書かれた項目がオプションソフトの読み取り結果になる
(出所:PFU)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、Zinraiの手書き文字認識技術を使って、自由記入欄の手書き文字を的確に読み取れるようにもした。文字のまとまりや区切りを正しく認識したり、正しい文字列になるように認識結果を補正したりする。自由記入欄の手書き文字の読み取り精度は「95.5%以上」(泉部長)という。

 従来は、自由記入欄の手書き文字を読み込ませるとうまく認識できないケースもあったという。例えば、「横」という手書き文字を「木」「黄」と2文字に誤認識するようなケースだ。書類に1文字ずつ記入してもらうように「枠」を設けるなど、誤認識を回避する手立てが必要だった。

 AIオプションソフトは氏名や住所の手書き文字を精度よく読み取れるように、事前に機械学習させてあるという。「氏名や住所の手書き文字を精度よく認識できるようにしてほしいという顧客からの声に応えた」(泉部長)格好だ。

 このほか、大きな枠に2行以上にわたって記入された手書き文字も的確に読み取れるようにしている。AI OCR製品によっては、1行に収まる手書き文字は読み取れても、2行にわたる手書き文字は正しく読み取れない場合がある。PFUはAI OCRで起こりがちだった課題を解消する機能もAIオプションソフトに作り込んでいるわけだ。

 本来はクラウドでしか利用できなかったAI OCRが、PFUのDynaEye 10の機能強化版の登場で社内でも利用できるようになる。RPAのソフトロボと組み合わせることで、パソコン作業の自動化がより加速しそうだ。