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 アイシン精機、アイシン・エィ・ダブリュ、アドヴィックスの3社は、2019年9月19日、北海道・豊頃町の豊頃試験場で新技術試乗会を開催し、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード/サービス、電動化)に対応するために開発中の試験車両を報道陣に公開した。

 公開したのは、2速の変速機構付きの電動アクスル「変速機構付きeAxle」、FF(前部エンジン、前輪駆動)車に搭載可能な後輪駆動用の電動アクスル「ハイパワーeAxle」、電気自動車(EV)の後輪の左右輪を独立に駆動できる「リア2モーターEVユニット」を搭載した試験車両である。加えて、カーナビゲーションシステム(カーナビ)の情報を活用して物流の運行ルートを作成したり運行遅延を知らせたりする「物流支援システム」を動画で紹介。さらに、技術展示として、運転者監視システム(DMS)/車室監視システム(IMS)や、車いすやベビーカーでの乗降性を高めたMaaS(Mobility as a Service)車両用の両開きスライド・ドア・システム「オートスイングドア」なども披露した。

 変速機構付きeAxleは、小型のトラック・バスやピックアップトラックなどの車両質量の大きなクルマへの適用を想定したもの。低速ギアと高速ギアを切り替えることで、発進時の力強い加速と高速域での伸びのある走りを両立させることを狙う。公開した試験車両では、トヨタ自動車のSUV(多目的スポーツ車)「C-HR」をベースに、前輪側と後輪側のそれぞれに同eAxle(出力150kW)を1つずつ搭載する(図1)。前後に同eAxleを搭載したのは、主に駆動に使う前輪側のeAxleの変速ショックを、後輪側のeAxleで逆位相の加速度を発生させることで相殺することを意図したからだ。

図1 変速機構付きeAxleを搭載した試験車両
図1 変速機構付きeAxleを搭載した試験車両
トヨタのSUV「C-HR」をベースに、前後の車軸に同eAxleを1つずつ搭載する。(出所:アイシン精機)
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 ハイパワーeAxleは、前部のエンジンに加えて、後部に同eAxleを搭載することで、加速力を向上させることを狙ったものである。公開した試験車両では、FF車であるスウェーデン・ボルボ(Volvo)の「V60」(エンジンの出力は180kW、トルクは350N・m)をベースに後輪側に出力100kW、トルク250N・mの同eAxleを搭載する(図2)。

図2 ハイパワーeAxleを搭載した試験車両
図2 ハイパワーeAxleを搭載した試験車両
FF車であるVolvoの「V60」をベースに後輪側に出力100kW、トルク250N・mの同eAxleを搭載する。(出所:アイシン精機)
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