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 アイシン精機は、車両の室内に設置したカメラを活用するドライバー・モニター・システムの開発で付加価値の向上に取り組んでいる。運転者の監視機能にとどまらず、車内外のカメラやセンサーなどを連携することで、安全機能や利便性などの向上を目指す。

アイシン精機が開発中のドライバー・モニター・システムの例。(写真:アイシン精機)
アイシン精機が開発中のドライバー・モニター・システムの例。(写真:アイシン精機)
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 2019年9月、アイシン精機は北海道・豊頃町にある同社の豊頃試験場で新技術試乗会を開催した。そのなかで、ドライバー・モニター・システムの戦略について説明するとともに、実験用のコックピットを使ってデモンストレーションを行った。運転席には、ステアリングホイール中央部とルームミラーにそれぞれカメラが取り付けられており、それぞれのカメラが捉えた映像を、前面の大型ディスプレーに映し出していた。

デモンストレーション用のコックピット。コラム部とルームミラーの位置にそれぞれ赤外線カメラを設置した。(写真:アイシン精機)
デモンストレーション用のコックピット。コラム部とルームミラーの位置にそれぞれ赤外線カメラを設置した。(写真:アイシン精機)
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 コラム部に取り付けたドライバー・モニター・カメラは赤外線カメラで、視野角は50度。運転者の顔を撮影し、顔や目の向き、まぶたの開閉状態などを検知。これらの情報から人工知能(AI)が判断して、居眠りや脇見運転などを警告する機能を持つ。

 このカメラに加えて、アイシン精機が力を注いでいるのが、ルームミラー部に組み込んだ車室内監視用カメラだ。100度を超える視野角を持つ赤外線カメラで、運転者だけでなく後席まで含めた同乗者を検知する。

 車室内監視用のカメラで撮影した映像は、AIが解析する。席に座っている人がいるか否かといった識別。さらに、頭や肩幅、腕の長さなどから人の骨格部を検知して体格を判別することも可能だ。これらの情報をまとめてAIが判断することで、座っている人が男性なのか女性なのか、大人なのか子供なのかといった判別ができるという。

 さらに、グーやパーなど手の形を識別させれば、ハンドサインによる機器の操作などにも応用可能だ。グーを出したらエアコンを作動させて、パーを出したらエアコンを止めるといったことができる。

運転者がハンドサインを試している様子。前方左側のディスプレーに、カメラが捉えた映像が表示されている。人の骨格を検知したり、手の形を検知したりした結果を表示している。(写真:アイシン精機)
運転者がハンドサインを試している様子。前方左側のディスプレーに、カメラが捉えた映像が表示されている。人の骨格を検知したり、手の形を検知したりした結果を表示している。(写真:アイシン精機)
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 アイシン精機は、これらの開発した機能を1つのアプリケーションに閉じず他のセンサーなどと連携することなどで、新たな価値を生み出したり、利便性を向上したりすることを目指す。

 例えば、車室内の同乗者の識別機能と荷重を検知する着座センサーやシートベルトリマインダーなどを連携すれば、利便性を高められる。着座センサーだけでは、席に荷物を置いたことで人が座っているように検知してしまう場合もあるが、画像分析と組み合わせることで誤検知を防ぐ。

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