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 銀行と電子決済等代行業者との間で、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)接続契約の締結に向けた動きが活発化してきた。あるFinTech企業は2019年8月にプロジェクトチームを発足。本格的に契約交渉に手をつけ始めている。

 2018年6月に施行された改正銀行法は口座情報を利用する電子決済等代行業者に対し、2020年5月までに接続先の全銀行と契約を締結しなければならないと定めている。交渉を進めるなかで焦点になるのが、FinTech企業がAPIを利用する際の料金水準だ。特に、三菱UFJ銀行の取り組みが注目される。最大手である同行の方針は、API課金全体の潮流を左右しかねない。

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個人と法人で異なる料金体系

 「顧客情報を守るには、システムや事務面での投資に加え、維持コストもかかる。一定の課金はせざるを得ない」。三菱UFJ銀行デジタル企画部調査役の瀬戸山巧一氏はこう説明する。ただし、投資額の全てを電子決済等代行業者に転嫁しているわけではないという。

 同行は2018年9月から料金交渉を始めた。提供するAPIごとの定価を一律に提示しつつ、協業内容を踏まえて個社ごとに料金交渉を進めている。「FinTech企業の育成という趣旨も理解している」と、デジタル企画部次長の岩田廉平氏は語る。API提供先が小規模事業者か否かも料金の判断材料にする。

 三菱UFJ銀行のAPI提供先のうち、5社とは価格面で合意に至った。一方で2社とは依然、交渉を続けている。背景の一つにあるのがAPIの課金体系だ。