AI(人工知能)開発ベンチャーのアースアイズ(東京・港)は2019年11月、防犯カメラの映像からAIが来店客や店員の行動を分析する新サービス「AI Search(AIサーチ)」の提供を始める。来店客の人数や属性、滞在時間、動線などをデータ化することで、小売業の店舗運営に生かしてもらう狙いだ。実店舗の価値を高めて、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)らEC(電子商取引)事業者への対抗を後押しする。
「30代男性」や「店員」と指定すれば動きが分かる
「監視カメラの映像は貴重なデータであるにもかかわらず、(既存の小売業は)戦略的に使えていない。AI Searchならそれを生かせる」。アースアイズの山内三郎社長は新サービスの意義をこう強調する。
AI Searchを使うと防犯カメラに映った来店客や店員の動きを分析し、グラフやヒートマップで定量的に把握できるようになる。例えば客を「30代男性」で絞り込めば、どの時間帯の来店が多く、どういった動線で店内を回遊したかが分かり、店舗レイアウトを変える際の参考にできる。
「店員」で絞り込めば、接客や品出しに費やした時間などが分かり、人員配置の最適化に生かせる。AI Search で使うAIは、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトの成果を活用した。