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 2019年はプログラミング言語「COBOL」が誕生してから60年目の節目の年である。人間でいえば還暦を迎えたCOBOLだが、多くの基幹システムで動き続けている。COBOL開発・実行環境大手の英マイクロフォーカス(Micro Focus)のグローバル調査によれば、COBOLアプリケーションを持つ企業の3分の2が「COBOLアプリケーションを維持し、機能改善していく」としている。

3分の2のユーザーはCOBOLアプリの維持を考えている
3分の2のユーザーはCOBOLアプリの維持を考えている
(出所:英マイクロフォーカス)
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 「今後20年以上、COBOLアプリケーションは現役で動き続けるだろう」。同社のスチュアート・マクギルCTO(最高技術責任者)はこう予測する。還暦を超え、傘寿でもCOBOLは現役とみているわけだ。

英マイクロフォーカスのスチュアート・マクギルCTO
英マイクロフォーカスのスチュアート・マクギルCTO
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コンポーネント化でビジネスロジックを生かす

 根拠についてマクギルCTO は「コンテナやマイクロサービスアーキテクチャーといった技術によって、COBOLアプリケーションは1つのコンポーネントとして扱えるようになるからだ」と話す。今後は多くのシステムで、外部からAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)などを使って、コンポーネント化したCOBOLアプリケーションのビジネスロジックだけを呼び出すようになるとみる。

 コンポーネント化することでCOBOLアプリケーションを他の言語で作り替える手間も省ける。「ビジネスロジックを内包するCOBOLコンポーネントを触らずとも、(画面やタイシステム連携など)それ以外のプログラムを他の言語で開発できるようになり、変化に強いシステムにつながる」(マクギルCTO)。このとき、欠かせないのはCOBOLアプリケーションのオープン化だとマクギルCTOは強調する。

 マクギルCTOの主張はCOBOL関連ツールを開発するベンダーという立場を差し引いても納得がいく。COBOLアプリケーションのコンポーネント化はマイグレーション時の有力手段としてかねて実践されてきたが、API連携が一般的になった今、さらに実践しやすくなってきたと言ってよい。

 現在COBOLで開発されているアプリケーションは歴史が古く、ビジネスロジックが長年変わらない業務を支えているケースが多い。それをそのまま生かしやすくなってきたわけだ。

日本でCOBOLが「お荷物」になったわけ

 ただ、日本ではCOBOLアプリケーションは何かと「お荷物」にされがちだ。情報処理技術者試験の出題から除外されたり、厚生労働省の統計問題の「元凶」として扱われたりしている。

 「プログラミング言語のCOBOLが悪なのではない。メインフレームでしか動かないCOBOLアプリが問題なのだ」。マクギルCTO(最高技術責任者)はこうした「逆風」にもの申す。COBOLはもともと自然言語に近い間隔で読み書きできる開発言語として誕生した経緯があり、高度なコンピューター知識がなくても扱えるのが強みである。