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 DXの具体策としてサブスクリプション(継続課金型)サービスに注目が集まるなか、企業が新たにサブスクサービスを導入する際に支援するIT基盤サービスが整ってきた。サブスクサービスは料金体系の設計などビジネス面の「再設計」に焦点が当たりがちだが、既存の基幹システムとの連携や複雑な課金計算の管理・運用など、実はシステム戦略も成功の鍵を握っている。

 サブスク支援のクラウドサービス大手、米ズオラ(Zuora)は2019年10月16日、「Zuora Central Platform」を日本国内で提供を始めた。サブスクサービスに関する様々な業務プロセスを組み合わせたワークフローの設計や自動実行、周辺システムと連携するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)といった機能を提供する。

ズオラのツォCEOは「サブスクに乗り出す企業は物売り主体から顧客主体へと、発想を転換すべきだ」と力説する
ズオラのツォCEOは「サブスクに乗り出す企業は物売り主体から顧客主体へと、発想を転換すべきだ」と力説する
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 同社は既に料金設定や請求管理、料金回収、収益管理などを担う基盤サービスを日本向けに提供済みだ。新たに提供を始めたクラウドサービスと合わせて、「日本企業のサブスクリプション事業への参入を後押しする」(ズオラ創業者のティエン・ツォ最高経営責任者=CEO)。

 日本企業ではサイオステクノロジーが同様の基盤サービスの拡充を急いでいる。料金設定や請求管理、マーケティング支援の基盤サービス「SIOS bilink」の提供を2019年6月に始めたのを皮切りに、2020年にかけて利用履歴管理や損益予測、周辺システムとの連携など順次ラインアップを増やす計画だ。

サブスク=定額?定まらない実態と煩雑な業務処理に商機

 「2019年、オーナーシップ(所有型)は終焉(しゅうえん)を迎えた。人々とモノやサービスとの関係はオーナーシップからユーザーシップ(利用型)に変わる。利用者ごとに最適化したモノやサービスを、必要に応じて利用する生活や社会が到来するだろう」。ズオラのツォCEOはこうぶち上げた。

 米国消費者の6割が所有するモノを減らしたいと考えているといった調査結果を引き合いに、音楽や映像のネット配信、ビデオゲーム、農機や建機、小売り、旅行、金融など様々な分野でサブスクサービスが登場していると述べた。「世界トップの自動車メーカーはクルマの販売台数だけでなく走行距離をいかに伸ばすかが重要であると気付いている。農業機器メーカーも同様だ。顧客はトラクターを使って、土砂を運搬したり農作物を収穫したりすることを望んでいる。トラクターそのものが欲しいわけではない」(同)。