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光の挿入損失も大幅低減

 ただし、光スイッチ素子を小さくすればするほど、そこに光信号を低損失で挿入するのは難しくなる。NTTは、Si導波路とプラズモン導波路との境界を工夫して、入力した光エネルギーの67%を素子内に送り込めるようにしたとする。Si導波路の先端部分の形状は立体的で、プラズモン導波路との隙間も重要だという。要求される作製精度は非常に高い。今回は光スイッチ素子作製に、電子ビーム(EB)リソグラフィーを用いたが、半導体の最先端技術であれば利用可能であるという。

光スイッチへの光信号の入出力部分
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光スイッチへの光信号の入出力部分
設計値±10nm以下の高精度での作製技術で低い挿入損失を実現した。(写真:NTT)

スイッチ時のエネルギーも従来記録の1/100に

 効果は単に断面積のコンパクト化だけではない。高密度に光を閉じ込めることで、導波路コア内の光のエネルギー密度が高まり、グラフェンによる光吸収の効率も従来の0.089dB/μmから今回は2.0dB/μmへと数十倍に高まった。結果、従来の30μmからより短い素子長(数μm)でグラフェンを光スイッチとして制御できるようになった。スイッチングに必要なエネルギーも、従来のSi導波路型光スイッチが213pJだったのに対して、今回は数十fJと、約1万分の1の水準に低減した。これまでのスイッチングエネルギーが最も低い光スイッチに対しても1/100と大幅な省エネルギー化を実現したという。