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 住友生命保険がDX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成研修に取り組んでいる。ホワイトボードも付箋もなし。受講者はスマートフォンを片手にネット検索を繰り返す。アイデアの種をネットに求めるのをいとわない、型破りな研修を始めた狙いとは。

 DX推進を担う人材が足りない。情報処理推進機構(IPA)が2019年4月に発表した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」ではエンジニア/プログラマーだけでなく、UXデザイナーやデータサイエンティスト/AIエンジニアといったDXを支える人材が大幅に不足している実態が浮き彫りとなった。

DX人材の不足感
DX人材の不足感
(出所:情報処理推進機構)
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 デジタル技術を使った業務改革が急務となるなか、中心となるITエンジニアの確保は欠かせない。課題解決に向けて、グループ企業からDX人材を発掘し育てる試みを住友生命が始めた。「Vitality DX塾」という研修だ。DXプロジェクトに興味がある開発子会社のエンジニアに研修を実施し、グループ全体でDX人材を確保する狙いがある。

 研修に先立ち、同社はグループ企業のDX人材を発掘するため適性診断を実施した。結果、同社グループ企業にはDX推進に向く人材が多数存在すると分かったという。「彼らを育成してDXプロジェクトで活躍してもらう」(Vitality DX塾を立ち上げた住友生命の岸和良情報システム部担当部長 兼 代理店事業部担当部長)。

ITベンダーと共に研修する

 Vitality DX塾の特徴はITベンダーのエンジニアと一緒に研修することだ。2019年9月の研修はNEC本社で行われた。2019年10月までにNTTデータやNECのエンジニアと共同で4回の研修を実施した。

Vitality DX塾の様子
Vitality DX塾の様子
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 研修の目的はDXの方法論やアイデアを形にするプロセスを身につけさせることだ。ITベンダーにも参加してもらい、開発や運用まで見据えた企画作りを学んでもらう。岸担当部長は「個々の企業が単独で実施するDX教育は限界。他企業とコラボレーションして新しいアイデアを創出する訓練こそ意味がある」と話す。ユーザー企業とITベンダーのエンジニアが協力して研修に取り組めば、互いの考え方や技術を学び理解する機会にもなると期待する。

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