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 液晶や有機ELに続く次世代ディスプレー技術として注目を集める「マイクロLED」に、ジャパンディスプレイ(JDI)が参入する。同社は、画面サイズが1.6型のマイクロLEDを開発した(図1)。2019年12月4~6日に開催される展示会「液晶・有機EL・センサ 技術展(ファインテック ジャパン)」に参考出展する。「量産時期はまだ決まっていないが、早期に量産を開始したい」(同社)考えだ。

図1 JDIが開発したマイクロLEDディスプレー
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図1 JDIが開発したマイクロLEDディスプレー
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図1 JDIが開発したマイクロLEDディスプレー
(写真:日経 xTECH)

 マイクロLEDディスプレーは、極めて微小なサイズのLEDチップを画素としてたくさん並べて映像を表示するもの。(1)太陽光の下でも鮮明な映像が見られる高輝度、(2)どの方向から見ても同じように見える広視野角、(3)耐熱性や耐湿性などの低い材料が使われていないことによる高信頼性などが特徴である。従来の液晶パネルに必要なバックライト、偏光板、カラーフィルターや、有機ELパネルに必要な封止層などが不要なため、構造はシンプルだ(図2)。

図2 マイクロLEDディスプレーの構造はシンプル
図2 マイクロLEDディスプレーの構造はシンプル
(出所:JDIのスライド)
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 ソニーが業務用ディスプレーとして製品化したのに続き、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)や台湾の友達光電(AU Optronics)、京セラやシャープ、中国の天馬微電子(Tianma Microelectronics)や華星光電(China Star Optoelectronics)などが、この1~2年に開発品を相次いで発表している。

 JDIが今回開発したのは、画面サイズが1.6型の小型のマイクロLEDディスプレーである。同社のコア技術であり、液晶や有機ELの駆動に使われている低温多結晶Si(LTPS)のバックプレーン上に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のマイクロLEDチップを敷き詰めた。これにより高輝度、広視野角の映像表示を実現した。輝度は3000cd/m2、視野角は178度以上である。画素数は300×300で、精細度は265ppi。この精細度はLTPSをバックプレーンに用いマイクロLEDディスプレーとしては最高値であるという。

 マイクロLEDディスプレーの市場として同社が期待を寄せるのが自動車分野である。太陽光にも負けない高輝度の映像表示が、今後、車載ディスプレーには求められるとみているからだ。既存の車載ディスプレーというよりも、今後の市場拡大が見込まれるヘッドアップディスプレー(HUD)や、自動運転時代のエンターテインメント用途として窓などに映像を表示する透明ディスプレーなどを想定しているとみられる(図3)。

図3 JDIが考えるマイクロLEDディスプレーの応用例
図3 JDIが考えるマイクロLEDディスプレーの応用例
自動車用のディスプレーや透明ディスプレーを想定する(出所:JDIのスライド)
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 今回の開発品の画面サイズは1.6型と小型だが、同社は10型程度まで拡大できると考えている。これ以上の画面サイズには、10型級のパネルを面状に並べるタイリングによって対応する。なお、ソニーやサムスン電子などがターゲットにしている100型クラスの超大画面の用途は想定していないという。