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ハウスメーカーへのサポートが商機

 「新築建物への太陽光設置義務」で、まず大きな影響を受けるのがハウスメーカーになる。カリフォルニア州北部で太陽光発電と屋根施工事業を展開するシタデル・ルーフィング・アンド・ソーラー社(以後シタデル社)で副社長を務めるアーロン・ニズキン氏は、ハウスメーカーの意識が大きく変化しているという。同社はカリフォルニア州で30年以上の事業経験を持つ、屋根と太陽光発電施工を専門にする数少ない業者である。

 同氏によると、ハウスメーカーは、例えば、「どのように太陽光発電設備が稼働するか」「屋根のピッチと方位角がどのように太陽光発電に影響を与えるか」「太陽光発電設備を住宅建設のプロセスに統合する時期と方法は?」など、太陽光に関する基本的な情報を求めている。

 加えて、見込み顧客の購入者が抱いている太陽光発電の質問に関し、営業スタッフが迅速に答えるため、太陽光設備の課題や利点などを習得するトレーニング、そして、新しい住宅所有者のため、購入後の顧客サービスの支援をハウスメーカーは必要としているという。

 そんななか、シタデル社は、先月サンラン社とカリフォルニア州での新築住宅への太陽光発電導入義務に向けパートナーシップを結んだ。

 サンランは、現在米住宅用太陽光発電導入でトップシェアを持っている。2019年第2四半期(2019年6月)時点で、累積1.7GWを超える住宅用太陽光発電を施工済みである。

 同社は2007年に、太陽光発電「サービス」モデルを提供するためにカリフォルニア州サンフランシスコに設立された。太陽光発電システムを販売・施工するだけの専門事業者と違い、同社は、顧客に現金購入だけではなく、「第三者所有(TPO:third party ownership)」モデルによるリースや電力購入契約(PPA)といったファイナンスのサービスも提供する。

 TPOモデルは、ソーラーサービス事業者が、顧客である電力消費者の屋根や敷地に太陽光発電設備を設置する。事業者が設備を所有し、設備から発電された電力をPPA契約(電力購入契約)のもと顧客に販売するモデルである。顧客は、多額な初期導入コストを負担せず、修理・メンテナンスに煩わされずに太陽光発電の電力を利用できる。

 さらに、リースやPPAの契約期間中は、事業者が設備を遠隔から監視して、点検・修理したり、パワーコンディショナー(PCS)を交換したりする。設備の運用とメンテナンスをすべて事業者が担うため、顧客は簡単に太陽光発電の恩恵を得ながら電気料金を削減できる。