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 金融機関の社内業務を効率化し、システムの運用コスト4割減をうたうITベンダーが日本に上陸した。提供するのは書類の収集や審査など手作業が主体だった業務を自動化するクラウドサービスだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)に注力する金融機関が増え、デジタル技術を活用した新たな顧客獲得や新サービスの提供が金融機関にとって喫緊の課題になっている。金融機関の働き方改革を後押しし、より付加価値の高い仕事へ振り向ける余力を捻出する。

 米エヌシーノ(nCino)は2019年10月28日、ジャパン・クラウド・コンピューティング(JCC)と提携し、日本法人を設立すると発表した。米エヌシーノのピエール・ノーデ最高経営責任者(CEO)は「日本の金融機関に受け入れられるソフトウエアの品質を担保できるようになった。日本の金融機関に業務改革の波が押し寄せている今こそ、日本市場に打って出るときと考えた」と日本法人設立の理由を説明する。

米エヌシーノのピエール・ノーデ最高経営責任者(CEO)
米エヌシーノのピエール・ノーデ最高経営責任者(CEO)
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 エヌシーノはクラウドをフル活用して同社のサービスを構築した。米セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)のPaaS(Platform as a Service)である「Force.com」を使い、主にCRM(顧客関係管理)や文書管理、与信管理などのシステムを提供。顧客である金融機関は必要なシステムを選んで利用できる。コードを記述せずに業務プロセスを構築できるのも特徴だ。2019年10月末時点で世界250以上の金融機関に導入実績があるという。

エヌシーノが提供するシステムの全体像
エヌシーノが提供するシステムの全体像
(出所:エヌシーノ)
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 エヌシーノが導入を狙うのは勘定系を除く金融機関の情報系システム全般である。口座開設業務やローン審査などの業務プロセスを効率化できるという。「ローン審査や新規口座開設は金融機関にとって時間を要する業務だった」(ノーデCEO)。行員が手作業で書類をまとめて審査部門に提出し、結果を別の部門が承認するといった、部門を横断するプロセスが必要だからだ。