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 個人情報を含む行政情報が記録された神奈川県庁のHDDがオークションサイトで販売された問題で、HDDのデータ消去を請け負っていたブロードリンクが2019年12月9日に記者会見を開いた。明らかになったのは同社のずさんな管理体制に加え、HDDを持ち出した元社員(12月6日付で懲戒解雇、現在は容疑者)を特定するまでの生々しい経緯と手口だ。

謝罪するブロードリンクの経営陣
謝罪するブロードリンクの経営陣
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趣味の出品で足がついた

 きっかけは、11月27日の外部からの通報だった。「ブロードリンクが廃棄したはずのサーバーのHDDがネットオークションで転売されている」というものだ。ブロードリンクはすぐに調査を始め、オークションサイトの「ヤフオク!」やフリマアプリの「メルカリ」であるアカウントを見つけた。そこで目にしたのは、膨大なHDDやPCアクセサリー、デジタルカメラなどの出品だった。

 ブロードリンクによると「元社員が入社した2016年2月以降、ネットオークションに出品、落札された総個数は7844個」。このうちHDDなど記憶領域のあるものが3904個あった。すべてが盗難品ではないものの、4年弱で1カ月当たり170個も個人で出品していたことになる。

 ブロードリンクが出品してあるHDDを調べたところ、シリアルナンバーなどから確かに同社が廃棄を請け負ったものであることが分かった。さらにHDDやPCアクセサリー以外の出品から元社員の特定を始めた。同社は詳しい説明を避けたが、「趣味の品から元社員を特定した」と明かしている。

 元社員のものとされるヤフオク!のアカウント(現在停止中)を見ると、落札された膨⼤なHDDやPCアクセサリーだけでなく、ある特定サッカーチームのグッズやチケット、ある有名俳優が出演するDVD、耐久性が高いことで有名な腕時計が何度も出品されていることが分かる。ブロードリンクはこれらの情報から元社員を特定していったとみられる。

 元社員を特定したブロードリンクは12月3日に本人を問い詰めた。元社員は盗難の事実を認め、さらにブロードリンクは「実際に本⼈のアカウントでオークションサイトにもログインさせた」ことで確信を得たという。12月4~5日に実施した社内調査でも元社員の証言の裏付けが取れたことから12月6日に元社員を懲戒解雇すると同時に、大森警察へ通報した。元社員は12月6日に逮捕された。

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