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事前同意のない「仮名視聴履歴の収集」は是か非か

 同検証実験にはいくつかのプライバシー上の懸念がある。例えばIPアドレスにひも付けて視聴履歴を分析して広告セグメントを作成し、広告配信につなげる試みは、IPアドレスを共有する家族間で視聴傾向が明かされてしまう恐れがある。さらにIPアドレス自体、多様な主体がアクセス履歴に付随して収集しており、視聴履歴と共に漏洩すれば個人の特定につながる恐れもある。

 1対1の「通信」でなく1対多が前提の「放送」サービスにおいて、仮名の利用履歴を事前同意ではなくオプトアウト方式で収集することへの国民の認知や理解が現時点で進んでいるとは言えない。視聴履歴の活用に当たっては、視聴者に向けて継続的に周知し、丁寧に説明して理解を求めるプロセスが不可欠になりそうだ。