全2612文字
PR

 ベンチャー企業のNatureは、スマートリモコン「Nature Remo」に続く製品として、エネルギーマネジメントを実現するためのHEMS端末「Nature Remo E」を2019年12月17日に発売した。各家庭に設置されているスマートメーターと連携し、アプリから家庭での消費電力量を確認できるようになる。今回の製品は蓄電池や太陽光発電パネルなど「ECHONET Lite」対応家電と連携する機能を備えており、家庭の後付けHEMSとして機能する。価格は2万9800円(税別)。

後付け式のHEMS端末「Nature Remo E」(写真右)
後付け式のHEMS端末「Nature Remo E」(写真右)
左はスマートリモコン「Nature Remo」、中央は同リモコンと連携可能でセット販売などを行う米グーグル(Google)のスマートスピーカー「Google Home Mini」(撮影:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社のスマートリモコン「Nature Remo」シリーズは、ネット接続機能を持った赤外線リモコンで、既存の家電製品をIoT家電化するというもの。スマホのアプリから操作できる他、Google Homeなどスマートスピーカーと連携させて音声で照明などの家電を操作できる。発売から約2年で、累計10万台以上を販売したとする。

 赤外線リモコンの遠隔操作では、操作したエアコンなどが本当に稼働しているかどうか分からないという課題があった。今回の製品を組み合わせれば、全体の消費電力量の推移からエアコンなどの動作状況を確認、推測できる。また、消費電力量の状態に応じて家電を制御することで節電することも可能と見込む。最近の自然災害などに伴う停電では、蓄電池を備えていても消費電力の状況を把握しておらず、結局電気を使い切ってしまって停電するという課題も生じている。「消費電力の見える化」に対する需要は高まっているとみる。

消費電力量を見える化
消費電力量を見える化
スマホアプリで発表会会場の消費電力量を閲覧するデモの様子(撮影:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 対応するスマートメーターの設置は現在着々と進んでいる。2024年までには日本国内全世帯での導入が予定されており、例えば東京電力エリアでは既に8~9割が設置済みで2020年完了が予定されている。今回のNature Remo Eの利用には、その地域の電力会社に対して電力メーター情報発信サービスである「Bルート認証サービス」をホームページなどから申し込む必要がある。既にスマートメーター設置済みであれば1~2週間でサービス開始となり、消費電力量の管理機能が使えるようになる。設置されているメーターがスマートメーターでない場合、問い合わせにより優先的にスマートメーターの設置が進められ、条件が整い次第、機能を利用できるようになる。Bルート認証サービスやスマートメーターの設置は、その地域の電力会社が行うもので料金は無料だ。

スマートメーターの導入は着々と進む
スマートメーターの導入は着々と進む
発表会会場のメーターの例。特に東京電力や関西電力では、比較的古い集合住宅でも取り換えが進んでいるという(撮影:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 今回の同社の製品は「後付けのHEMSサービス」と言える。ただし、HEMSサービスは各電力会社や太陽光発電パネルメーカーなどが提案し、2011年の東日本大震災などで盛り上がりを見せるも、その後が続かなかったという経緯がある。興味関心があるユーザーでも、消費電力量の傾向を把握してしまうとその後はメーターを確認しなくなるケースが多いとされている。むしろ、ユーザーをサービスにつなぎとめる目的で、HEMSサービスにIoT家電や音声操作を連携させる事例が続々と出ている状況だ。なぜ、Natureの動きはこうした流れに逆行しているのか。