全2041文字
PR

 フラッシュメモリーの技術分野における日中両国企業の交流を促進し、技術者同時のコミュニケーションを図ることを目的としたイベント「日中フラッシュメモリ技術交流会」が2019年12月17日に東京都内で開催された。

 このイベントでは、米国および日本のフラッシュメモリー業界の重鎮といえる技術者が、NORフラッシュメモリーの復権に向けた号砲を鳴らした点が非常に印象に残った。

 まずは、元米インテル(Intel) 技術・製造本部副社長を務めた、Stefan Lai氏(現Senior Advisor、ChinaFlash)が「Renaissance of NOR Flash Memory」と題して講演した。同氏はインテルでNORフラッシュメモリー事業を立ち上げ、躍進させた立役者として、業界で広く知られる。NORフラッシュメモリーは高速読み出しという特徴があり、プログラム格納用途に向く。一方、NANDフラッシュメモリーは、読み出しは低速で、エラーレートが高いため、誤り訂正コントローラー(ECC)を備えた2次ストレージとしてスマートフォンなどに搭載されている。

元米インテル(Intel)のStefan Lai氏(現Senior Advisor、ChinaFlash)
元米インテル(Intel)のStefan Lai氏(現Senior Advisor、ChinaFlash)
(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 Lai氏によれば、「NORフラッシュメモリーは2000年頃にスケーリング(微細化)が止まってしまったことで、コスト競争力でNANDフラッシュメモリーに劣り、フラッシュメモリー市場の主流の座をNANDフラッシュメモリーに奪われた」と振り返った。その一方で、同氏がSenior Advisorを務めるChinaFlashなどにおいて、NORフラッシュメモリーの新たな技術イノベーションに取り組んでいることを明らかにした。同社で取り組んでいる内容は3つある。第1に、既存のNORフラッシュメモリーのスケーリング限界を打破できる、より書き込み電圧が低い新たな書き込み方式の開発である。

 第2に、最小で4F2のメモリー・セル面積を実現可能な新メモリー・セル構造の開発である。自己整合(セルフアライン)技術を活用したバーチャルグラウンドアーキテクチャーの採用によって実現する。多値技術(Multi-level-cell)との組み合わせも可能で、その場合、実効的なメモリー・セル面積を最小2F2にできるとする。第3に、ロジック混載アプリケーションに向けて、ロジック・プロセスと整合性が高いメモリー・セルの実現である。

ChinaFlashが開発中の新型NORフラッシュメモリーの技術革新のポイント
ChinaFlashが開発中の新型NORフラッシュメモリーの技術革新のポイント
(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 これら3つの技術イノベーションによって、「ChinaFlashのNORフラッシュメモリーは従来のNORフラッシュメモリーとは大きく異なるコスト低減が可能になる」とLai氏は主張した。この結果、同社が開発中の新たなNORフラッシュメモリーは、「アクセス時間が100ns未満と高速で、人工知能(AI)や自動運転など、より高速アクセスの不揮発性メモリーを必要とする多くのアプリケーションで採用が進む可能性が期待できる」(Lai氏)とした。

この記事は有料会員限定です

日経クロステック有料会員になると…

専門雑誌8誌の記事が読み放題
注目テーマのデジタルムックが読める
雑誌PDFを月100pダウンロード

日経電子版セット今なら2カ月無料