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 カシオ計算機は、国内大手の化粧品メーカーであるコーセーとネイルプリンターを共同で開発し、コーセー初の直営店「Masion KOSE(メゾンコーセー)」に試作機を設置、実証実験を行う。来店者は自分の爪にコーセーの持つ化粧品ブランドをイメージした高精細な図柄を15秒で印字できる。1人あたり指1本分の印字について無料サービスとして提供する。

カシオ計算機とコーセーが開発したネイルプリンター
カシオ計算機とコーセーが開発したネイルプリンター
コーセーの直営店「Masion KOSE」に設置する(撮影:日経 xTECH)
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 同店舗に設置されているネイルプリンターは5台。基本的には来店者がセルフサービスで利用する。手順は以下の通りだ。まず印刷の前処理を行う。白色のベースコートとしてコーセー製のマニキュア「NAIL HOLIC(ネイルホリック)」(WT005)を塗布して5分間乾燥させ、続いてカシオ計算機製のプレプリントコートを塗布して3分間乾燥させる。乾燥させている間に印字する図柄のデザインを選ぶ。デザインは6組を用意している。

手描きでは難しい繊細なデザインを用意
手描きでは難しい繊細なデザインを用意
各ブランドに合わせたデザインを6組用意している(撮影:日経 xTECH)
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 デザインが決まったらカードのQRコードを用意されているタブレット端末に読み込ませ、印字する指(「右手の中指」など)を指定する。タブレット端末はネイルプリンターと連動しており、プリンターにセットした指の状態がタブレット端末画面からリアルタイムで確認でき、印字イメージも確認できる。印刷開始ボタンを押下すると約15秒で水性インクを使い図柄が印刷される。印刷の後処理として、トップコートを塗布して乾燥させる。通常のマニキュアと同様、2~3日保持できるとする。

印字イメージを確認する画面
印字イメージを確認する画面
爪の形状を認識するために1000個以上の爪を学習したという(撮影:日経 xTECH)
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爪の端まできれいに印字
爪の端まできれいに印字
フルカラーで印刷する。ラメやストーンといった表現はできないが、コーセーのマニキュアNAIL HOLICの色味は再現できるとする(撮影:日経 xTECH)
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湾曲面の印字品質に自信

 ネイルプリンターは中国製などの海外製品が出回っているほか、国内でも通販大手の千趣会がサロン向けに短時間施術のジェルネイルシステム「TSUME.CO」として提供したり、消費者向け製品として小泉成器は「プリネイル」を、船井電機は「CureNel」を販売したりするなど、新市場が形成されつつある。ある調査によれば、2018年の日本におけるネイルプリンター市場は台数ベースで7万6000台であり、2024年には10万6900台に増加するとの予測もある。

 後発として参入を試みるカシオ計算機が自信を見せるのがプリンターとしての印字品質だ。爪は湾曲しているため、平面の紙と同様に印刷すると湾曲している端部分で印字が薄くなったり間伸びしたりしてしまうケースが多い。今回の製品では、カメラの画像から爪形状を認識し輪郭と湾曲状態を把握、湾曲に応じて画像を圧縮し輪郭を補正するといった図柄に対する画像補正を加え、さらに角度に応じて印刷の濃度を補正するといった印刷制御技術を使っているという。同社がデジタルカメラ向けに培った画像認識技術やプリンター向けに培ったインク吐出技術を生かした形だ。