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 ソニーグループが、半導体素子の学会「65th International Electron Devices Meeting(IEDM 2019)」(2019年12月7~11日、サンフランシスコ)で披露した、「業界初」の3つのイメージセンサー(関連記事1関連記事2)。このうち、同センサーなどを取り上げる「セッション16」の最後の講演枠で見せたのが、ソニーセミコンダクタソリューションズが開発した1000nm台の短波長域の赤外光「SWIR(Short-Wavelength InfraRed)」に感度を持つイメージセンサーである。同センサーを使えば、可視光域では捉えられない映像を撮影できるので、マシンビジョンや農業、医療、セキュリティー、食品検査のなどの分野で需要がある。例えば、監視カメラ用途では、スモッグによって目で見えない状況を画像で確認できるようになる。

 今回のSWIRイメージセンサーには、生産性が高く、コスト削減に向く「業界初」(同社)の製造法を適用した。加えて、この製造法は、同センサーの多画素化や可視光域の高感度化に向く。従来のSWIRイメージセンサーは、生産性が低くて高止まりしている、多画素化に不向き、可視光域の感度が低い、といった課題があったという。今回の製造法はこれらの課題を解決できるだけに、「(SWIRイメージセンサーにおける)ゲームチェンジャー」(講演者のソニーセミコンダクタソリューションズの萬田周治氏)と胸を張る。

 講演では、新たな製造法で試作した約130万(1280×1024)画素のSWIRイメージセンサーで撮影した画像を披露した。鮮明なSWIR画像と可視光域の画像を撮れていることをアピールしていた。

約130万画素の試作品で撮影した画像。左が可視光光源(蛍光灯)下で、右が1550nmの赤外光源の下で撮影した画像である。可視光光源下では、油と水、塩と砂糖の写りに大きな差はないものの、赤外光源だと違いが分かる。Siウエハーも、赤外光源の場合は透けて写る(画像:IEDMとソニーグループ)
約130万画素の試作品で撮影した画像。左が可視光光源(蛍光灯)下で、右が1550nmの赤外光源の下で撮影した画像である。可視光光源下では、油と水、塩と砂糖の写りに大きな差はないものの、赤外光源だと違いが分かる。Siウエハーも、赤外光源の場合は透けて写る(画像:IEDMとソニーグループ)
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