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課題解決の救世主!?

 米カリフォルニア州でエネルギー貯蔵の導入政策を支援するカリフォルニア・エネルギー貯蔵同盟(CESA)によると、同州の温室効果ガス(GHG) 排出フリー電源システムへの移行には、エネルギー貯蔵の普及が欠かせないとしている。

 2018年にカリフォルニア州議会は、「ゼロエミッション電力目標を設定する上院法案100(SB100)」を可決した。「SB100」では、2030年までに電源構成の60%を太陽光発電など再生可能エネルギーからの供給に転換し、2045年までに電力供給の100%をゼロエミッション電源とすることを義務付けた。

 CESAでは、エネルギー貯蔵は同州のエネルギー・環境問題など、多くの課題を解決するのに役立つことから、早急な導入を促している。「同州の直面している課題」とは、天然ガス火力の廃炉、電気自動車(EV)の需要拡大、高い電気料金の抑制、そして太陽光発電の大量導入に伴う系統(グリッド)への統合などがある。

「ガス火力」から「貯蔵」に

 カリフォルニア州では2045年までにすべての天然ガス火力が廃棄されることになっている。現在同州で発電される電力の43%は天然ガス火力によるものであり、エネルギー貯蔵は、天然ガス火力の代替に再エネを増やしていく上で重要な役割を果たすとされている。

 実際、すでにエネルギー貯蔵による火力発電所の代替は始まっている。象徴的なのが、アリソ・キャニオンとモス・ランディングにおける蓄電池プロジェクトだ。それぞれ、99.5MWと567.5MWという大規模なエネルギー貯蔵設備になる。

 カリフォルニア州ロサンゼルス付近のアリソ・キャニオンには、もともと天然ガス貯蔵設備があった。2015年10月、このガス貯蔵施設で大規模なガス漏れ事故が発生した。天然ガスの不足が危惧され、電力の需要ピーク時における供給不足にも現実味が出てきた。電力不足を賄うために、需要ピーク時の電力供給用に262MWの天然ガス火力の開発が検討されたものの、最終的にその代替としてエネルギー貯蔵設備の導入が選択された。同州の大手電力会社は、出力99.5MWの大規模エネルギー貯蔵の入札を実施し、導入した。