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 「動じないのはNTTドコモだけではないか」。ヤフーとLINEの経営統合発表を聞いたある金融関係者はこう漏らした。1億人規模のユーザー基盤を抱えることになるヤフー・LINE連合は、起床から就寝まで生活のあらゆる側面を支えるスーパーアプリ戦略を掲げる。巨大な顧客基盤に金融や各種サービスを融合して、利用者の生活を自社グループの情報インフラに囲い込む戦略だ。

 これに伍して事業展開できる企業は限られる。有力な対抗馬と目されるのがNTTドコモというわけだ。実際、NTTドコモは、決済アプリ「d払い」を核に据え、スーパーアプリ戦略にギアを入れ始めている。

 2019年12月5日、d払いの機能拡充を目指し、実店舗のネット注文・決済システムを提供するShowcase Gigと資本・業務提携に踏み切った。「Showcase Gigの設立後から、同社とドコモの携帯電話決済を連携させるアイデアはあった。d払いが2018年4月に始まったことで、ようやく実現にこぎ着けられた」。NTTドコモでプラットフォームビジネス推進部ウォレットビジネス推進室長を務める田原務氏はこう語る。

NTTドコモ執行役員プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏(左)とShowcase Gig代表取締役の新田剛史氏
NTTドコモ執行役員プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏(左)とShowcase Gig代表取締役の新田剛史氏
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 Showcase Gigは2012年2月に設立。飲食や小売店舗向けにスマホなどを活用したモバイルオーダーや事前決済のシステムを提供してきた。JRグループ各社とも資本業務提携を結んでいる。

 NTTドコモとShowcase Gigの両社は2020年1月から飲食店に特化した注文・決済サービスを開発する。同年春には飲食店が、d払いアプリ内で利用できる「ミニアプリ」として注文・決済サービスを提供できる仕組みを整備。同年度内に1万店舗での利用を目指す。Showcase Gig代表取締役の新田剛史氏は、「当面は飲食業に絞るが、将来的には様々な小売店の注文をd払いに集約する仕組みを構築する」と意気込む。

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