全3618文字
PR

 このCOBOTTAを、キヤノンの画像処理ソフトウエア「Vision Edition」やネットワークカメラと連携させて動かしている。ネットワークカメラはPCのディスプレーに表示されたホストコンピューターの画面を捕捉。画面には変更作業の進捗に応じて、プリンターへの給紙や排紙などの指示が出る。

ネットワークカメラがPCディスプレーに表示された画面を撮影
ネットワークカメラがPCディスプレーに表示された画面を撮影
PCのディスプレーに表示されたプリンターへの給紙などの指示をネットワークカメラで撮影し、画像認識。それに基づいてアーム型ロボットを動かす仕組みだ
[画像のクリックで拡大表示]

 その指示をVision Editionで画像として認識することで、COBOTTAがその指示通りに給紙や排紙の作業を自動でするようにしている。給紙するときには、いったんプリンターのトレーに紙を置いてから、トレーの奥へ静かに送り込み、用紙の上辺が印刷位置に当たるような配慮もしている。

 システムの画面に給紙の指示が出ると、COBOTTAが印刷用紙の束の上から1枚だけを取って、プリンターのトレーに置く。印刷が終わり画面に排紙の指示が出るとCOBOTTAがプリンターのトレーとは別に用意した文書トレーに用紙を移す。COBOTTAのアームの先端には複数の吸着パッドが付いており、印刷用紙の平面を維持した形で吸着できるようにした。

 プリンターにはトレーが上下2つあって、それぞれのトレーに1枚ずつ印刷用紙を置いてから印刷する。1件の変更につき、上下のトレーの紙それぞれに異なる内容を印刷するための仕掛けだ。システムの画面には上下のどちらに給紙するか指示が出るので、COBOTTAはその指示に合わせて給紙するように動く。

しわや折り目を付けずに用紙を取る

 三菱UFJ信託銀行の竹田博美業務IT企画部業務ITソリューション室FinTech企画グループ調査役は「印刷用紙の束の上から1枚だけを取るという動きを実現するのが難しかった」と苦労点を明かす。

 当初はアームの先端に、紙の表と裏から挟んでつまめるようなハンドを付けて試した。しかし「束から1枚を取る動きを実現するのが難しかったり、取ることができても印刷用紙にしわや折り目が付いたりした。印刷用紙にしわや折り目が付くとプリンターの紙詰まりを起こす恐れがあったので、きれいなまま用紙を取るようにする必要があった」(竹田調査役)。

 そこで同行は、COBOTTAとVision Editionを組み合わせた装置の開発を担当した松浦電弘社と連携して解決策を探った。松浦電弘社とはデンソーウェーブから紹介を受けて組むことになった。同社はロボットなどのハードウエアと、画像認識のソフトウエアを組み合わせたシステムインテグレーションなどを手掛けている。

 印刷用紙にしわや折り目が付くのを防ぐため、COBOTTAの先端にハンドの代わりに吸着パッドを取り付けることにした。吸着パッドにしてからも「印刷用紙の束から2枚取ってしまうことがあった。どのようにして1枚だけ取れるようにするかが課題だった」と松浦電弘社の中尾圭志計測設計部計測設計課課長は振り返る。