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 「一連のPC作業のなかで、どうしても無くせない手作業がある。これをどう自動化していくか」。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入している企業のなかで、こんな課題が浮上している。

 この課題をアーム型ロボットやネットワークカメラを駆使して解決したのが三菱UFJ信託銀行だ。同行は4年前の2016年からRPAの社内普及を進めてきた。2019年12月に、それまでRPAで自動化していたPC作業について新たにアーム型ロボットなどを適用し、給紙などの手作業を含めて全自動化した。

 同行に先がけ、りそな銀行が2019年6月からアーム型ロボットを用いて入力作業などを自動化しており、導入ブーム到来とも言える状況になっている。

三菱UFJ信託銀行が導入したプリンターへの給紙などを自動化する仕組み
三菱UFJ信託銀行が導入したプリンターへの給紙などを自動化する仕組み
アーム型ロボットやネットワークカメラを組み合わせた。アーム型ロボットは青いトレーに入っている印刷用紙の束から1枚だけ用紙を取ってプリンターへ給紙。印刷した用紙は銀色の文書トレーに置く。2019年12月に東京ビッグサイトで開催された「2019国際ロボット展」でデモンストレーションが公開された
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 三菱UFJ信託銀行が全自動にしたのは、保険に加入している顧客の担当営業の名前などを、ホストコンピューター上で変更する作業だ。三菱UFJ信託銀行は保険に加入している顧客ごとに営業担当者を割り当てており、ホストコンピューターで管理している。営業担当者が異動すると、別の担当者に名前を変更する必要があるため、変更作業は欠かせない。

 この変更の処理は従来、各営業拠点で作業していた。その処理を2017年3月に事務センター1カ所に集約。合計で年33万件に上る変更処理をRPAで自動化した。

 しかし課題が残されていた。ホストコンピューター上で担当者の情報を変更する処理についてはRPAで自動化できていたが、専用のプリンターで変更結果を紙に印刷する作業が自動化できないでいた。担当者情報を変更した証跡は紙で残す必要があり、プリンターで印刷する作業は省けない。そこで事務センターの担当者が手作業で対応していた。

 この手作業を自動化するために、アーム型ロボットやネットワークカメラを導入した。具体的にはプリンターに印刷用紙をセットしたり、印刷済みの用紙を取り出したりする給紙・排紙作業を自動化した。これにより1年でおよそ600時間分の手作業を自動化できると見込んでいる。

 「証跡を残すやり方を見直すにも、ホストコンピューターを変更する必要があり膨大なコストがかかる。ロボットでこの手作業を自動化できないかと考えた」と同行の田中経太郎業務IT企画部業務ITソリューション室FinTech企画グループ課長は説明する。

人と協働できるロボットを採用

 特徴は、安全柵なしで人とともに作業ができるデンソーウェーブのアーム型ロボット「COBOTTA」を採用していること。COBOTTAは重さが約4キログラム、アームの長さが約35センチメートルと、産業用ロボットに比べて小型だ。

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