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 日経デジタルヘルスが実施したデジタルヘルス関連ベンチャー102社へのアンケートで、注目のデジタルヘルス関連ベンチャーが明らかになった。1位は治療用アプリで注目を集めるCureApp、2位はアルム、3位はアイリスだった。上位企業について選定理由のコメントを合わせて紹介していく。

■ランキングの概要
日経BPが2019年12月に発行した専門レポート「デジタルヘルス未来戦略」に掲載した102社のデジタルヘルス関連ベンチャーにアンケートを実施。「自社以外のデジタルヘルス関連ベンチャー/スタートアップで注目している企業(上位3社)」を挙げてもらった。1位5点、2位3点、3位1点として集計した。アンケート実施時期は2019年10月。

1位:CureApp

 1位のCureAppは治療用アプリを開発している。ニコチン依存症を対象とした治療用アプリを、医療機器プログラムとして医薬品医療機器総合機構(PMDA)に日本で初めて承認申請した。早ければ2020年にも承認申請と保険適用の行方が明らかになる可能性があり、その動向に注目が集まっている。

 CureAppに対するベンチャー企業からのコメントでも、承認申請と保険適用の行方に関心が集まった。「治療用アプリを開発中であり、事業モデルが受け入れられるか注目している」「日本初の治療用アプリ承認事例になりそう」「日本で難しい保険収載化を狙っていて興味深い」といった内容が多かった。

 医薬品や医療機器は、承認が得られれば全て保険適用されるわけではなく、厚生労働省の中央社会保険医療協議会で審議された上で決まる。特に治療用アプリは「新しい製品のため保険点数のつけ方に前例が無い。点数がつくのか、つくとしたらどれくらいなのか先行き不透明」と指摘する医薬品業界の関係者もいる。

右から、CureAppの佐竹晃太CEO(最高経営責任者)兼医師、鈴木晋CDO(最高開発責任者)兼医師(出所:CureApp)
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右から、CureAppの佐竹晃太CEO(最高経営責任者)兼医師、鈴木晋CDO(最高開発責任者)兼医師(出所:CureApp)

 注目ベンチャーの1位に選ばれたことに対してCureAppの佐竹晃太CEO(最高経営責任者)は、次のようなコメントを寄せた。

 「このたびは、注目の企業として選出いただき、誠にありがとうございます。大変うれしく存じます。2018年末に国内初のアプリの治験を終えたニコチン依存症治療用アプリは、2020年中の薬事承認・保険適用を目指しており、また、高血圧・NASHといった生活習慣病領域での治療用アプリの研究・開発も順調に進んでいます。治療用アプリは、患者さんの行動変容を促し、既存の治療では難しかった疾病に対して高い治療効果を発揮するのはもちろんのこと、高騰する医療費や医療格差といった医療の社会課題を根本的に解決できるイノベーションでもあると私たちは信じています。今後も、弊社ミッションである『ソフトウェアで「治療」を再創造する』を目指し、従業員一丸となって理想の医療の実現に取り組んで参りたいと思います」。