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 三井住友カードは2020年1月15日、キャッシュレス決済の新施策を発表した。「カード情報を裏面に集約」「最短5分でカード番号を発行」などセキュリティーや使い勝手を高め、利用額や利用頻度の底上げにつなげる考えだ。その一方で顧客データの収集と分析を強化する狙いも透けて見える。

不安を払拭して使いやすく

 今回、発表した施策は多岐にわたる。まず2020年2月3日以降に発行するクレジットカードのデザインを一新し、これまで表面に表示していたカード番号や有効期限などを裏面に集約する。16桁の数字で構成するクレジットカード番号は4桁ずつ4段に分けて表示されることになる。

16桁の番号を裏面表示に変えたクレジットカード
16桁の番号を裏面表示に変えたクレジットカード
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 表面への印字をやめた理由について三井住友カードの大西幸彦社長は、「キャッシュレス決済が普及し、スーパーやコンビニでもよくクレジットカードを使うようになったことが大きい」と説明する。「日常よく出すカードにクレジットカード番号が表示してあることで他人に数字を見られて悪用されるのでは」という利用者の不安を払拭したいという狙いがある。

 大西社長によると、キャッシュレス決済の普及はカード番号に代表されるデザイン変更にとどまらず、クレジットカード会社が提供するサービスそのものを変革していくきっかけになっているという。

 その1つがクレジットカードの発行スピードの短縮だ。現状では最短で翌営業日に物理的なカードを発行しているが、2020年3月からはインターネットで申し込んだ場合、最短5分でカード番号を発行する。インターネットでの買い物はもちろん、Apple Payなどに登録すればスマホを使ったキャッシュレス決済も実際の店舗ですぐに使える。

申し込みから最短5分でクレジットカードを使えるようになる
申し込みから最短5分でクレジットカードを使えるようになる
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