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NASAのプロジェクトで実績

 Jobyは、2009年に設立された企業で、本社を米カリフォルニア州サンタクルーズに構える。サンタクルーズは、サンノゼの南の海岸沿いの都市で、渋滞がなければ、クルマで1時間以内に着く場所だ。米国で初めてサーフィンが始まった地とされる。創業者は、ジョーベン・ビバート氏でCEOを務めている。

 Jobyは、eVTOL機を手掛ける新興企業の中でも、100億円以上の出資を集めた「先頭集団」の1社だった。加えて、NASAのフル電動型の電動航空機「X57 Maxwell」の研究開発プロジェクトに参画する企業の1社として知られる。X57は、「さまざまな新技術を投入する、電動航空機の将来を占う上で重要な機体」(ある航空宇宙分野の研究者)である。中でも、回転翼を駆動するモーターをJobyが手掛ける。推進を担う電動航空機の「エンジン」に相当するだけに、Jobyの技術力の高さがうかがえる。こうした実績をトヨタ自動車は評価し、今回の協業・出資につながったとみられる。

開発中のX57の試験機
開発中のX57の試験機
(出典:NASA)
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 Jobyは長らくeVTOL機の実機を明らかにしなかったが、今回の協業発表を期に披露した。搭載する2次電池の電力を使って飛行する「フル電動型」で、6つのローター(回転翼)を備える。ローターは「チルト型」で、離陸時には、地面に対してローターが水平(ローターの回転軸を垂直)になるようにし、地面に向けて風を吹き付けて浮上する。浮上後、ローター部が地面に対して垂直、あるいは斜めに傾くように回転させて、水平方向の推進力を得て、目的地まで飛行する。

 1人のパイロットと4人の乗客が搭乗できる。すなわち5人乗りである。時速200マイル(約322km)で飛行可能で、1回の充電で飛行できる航続距離は150マイル(約241km)超とする。フル電動型のeVTOL機の中では、高速かつ航続距離が長い部類に入る。