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不妊治療の需要増で各社が参入

 晩婚化や出産の高齢化により、不妊治療の需要が増加している。不妊の原因の約40~50%は男性側に存在すると報告されており、造精機能障害を有する男性不妊を中心に、運動性や形態が良好な精子の選別の重要性が高まっている。このため、精子の解析に関するAI技術の開発に各社が取り組んでいる。

 オリンパスは東京慈恵会医科大学との共同研究で、良好な精子の選定作業をアシストする精子判別補助AIの開発を目指している。2019年11月には、精子の運動性を算出するAIを開発したことを発表した。1066個の精子画像を学習させ、AIが動画内の精子を認識(感度99%、陽性的中率92%)し、その運動性能を算出する。2020年12月までに精子判別補助AIの開発を進め、この技術を搭載した顕微鏡の実現を目指している。

図 精子の運動性の算出例
図 精子の運動性の算出例
(出所:オリンパス)
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 この他に、みらか中央研究所と亀田総合病院、亀田IVFクリニック幕張は、顕微授精における精子の判別を支援するAIの開発に成功したことを2019年9月に発表した。形態に異常がある精子の判別(正解率89%)が可能で、その判別の根拠となる異常部位を可視化することに成功した。今後は正常受精率などの臨床成績の向上を支援する機械学習モデルの探索とともに、複数施設の協力を得て技術の汎用性の向上や早期実用化を目指す。