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 「じゃあ、次はドリブルをしてみよう」

 コーチの声が体育館内に響く。するとバスケットボールを手にした選手たちが一斉にドリブルを始めた。

 これだけだと普通の部活の様子と変わらない。しかし、2019年12月にANAホールディングス(ANAHD)とジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)が行った部活の指導は、これまでにないものだ。なんと、体育館にはコーチはおらず、選手の間を動き回っていたのは遠隔操作のロボットだった。

遠隔操作でロボットを移動させて練習風景を見て回りながら指導する
遠隔操作でロボットを移動させて練習風景を見て回りながら指導する
(出所:日本バスケットボール協会)
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 この取り組みは、「ANA AVATAR(アバター)」プロジェクトで提供する遠隔操作ロボット「newme」を使用したもので、プロのコーチが遠隔地にいる選手に対してバスケットボールの指導をするという「AVATARスポーツコーチ」の一環である。遠隔指導にnewmeを用いるのは今回が初めてだとする。

 コーチがいるのは東京・文京区にあるBリーグのオフィスの会議室。選手がいるのは北海道札幌市にある市立札幌みなみの杜高等支援学校だ。その距離は約850km離れている。コーチはノートパソコン(PC)を使って、同校の体育館に置いた1台のnewmeに接続し、複数の選手の練習風景を見ながら指導する。

遠隔指導は東京・文京区にあるBリーグのオフィスから実施した
遠隔指導は東京・文京区にあるBリーグのオフィスから実施した
(撮影:日経クロステック)
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 この離れた2地点をつなぐ要となるnewmeは、10.1型のタブレットを搭載し時速2.9キロメートルで自走するロボットである。現在はPCのブラウザーから遠隔操作でき、今後スマートフォンやタブレット端末のブラウザーやアプリにも対応する。ロボット本体はレンタルなどで提供し、2020年4月には遠隔操作のサービスを開始する予定だ。

 遠隔指導以外には、離れた場所からの観光やショッピング体験のほか、問診などにもnewmeを利用できるとする。ANAは、誰もが遠隔地の”アバター”を自由に操作して社会参画できるようにnewmeの普及を目指す(関連記事)。

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