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 米オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)は、後退時の自動ブレーキの性能を高めるCMOSイメージセンサーを開発した(図1)。リアビューカメラの認識機能に使う“生データ”と運転者に映像を見せるビューイング機能向けに画像処理したデータを同時に出力できるのが特徴だ(図2)。2020年内に量産を開始する予定。

図1 後退時の自動ブレーキ向けのCMOSイメージセンサー
図1 後退時の自動ブレーキ向けのCMOSイメージセンサー
クルマの先端技術展「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15~17日、東京ビッグサイト)で評価ボードを使ったデモを披露した。(撮影:日経Automotive)
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図2 2種類のデータを同時に取得
図2 2種類のデータを同時に取得
1個のCMOSイメージセンサーで、センシング用とビューイング用のデータを出力できるようにした。(出所:ON Semiconductor)
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 後退時に自分の子供をひいてしまうなど、駐車場での事故は後を絶たない。こうした事故を防ぐ目的で、米国では「KT法」という法案が2014年末に成立している。KT法は、2018年5月以降に発売された新車に対してリアビューカメラとモニターディスプレーの搭載を義務化した。車両後部の死角をカメラとディスプレーで確認できるようにした。

 KT法の考え方を一歩進め、米国では現在、後退時の自動ブレーキシステムの搭載を加速させる動きがある。米保険業界の非営利団体であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)は2019年に車両と歩行者を対象にした後退時の自動ブレーキを試験項目に追加し、加点の対象にした。

自動ブレーキ搭載で事故を81%削減

 米ゼネラルモーターズ(General Motors:GM)によると、後退時の自動ブレーキ機能を搭載することで「事故を81%削減できる」(同社)という。前進時の自動ブレーキ機能の搭載は、日本や欧州連合(EU)など40の国と地域で義務化に合意済み。今後、後退時の自動ブレーキにも義務化の範囲が広がる可能性がある。

 こうした状況を見据えてON Semiconductorが開発したCMOSイメージセンサー「AS0149AT」は、リアビューカメラの認識能力を高めるため、撮影した生データを取得できるようにした。従来のイメージセンサーは運転者に映像を見せるビューイング機能向けで、撮影データは画像処理を施されてしまう。画像処理によって情報量が減るため、「センシングの認識精度を高めるのは難しかった」(同社日本法人の担当者)。

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