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 2020年を迎えて、電子機器の時計が正しく表示されなくなる報告がソーシャルメディアなどで相次いだ。

 「ガラケー」と呼ばれたフィーチャーフォン(携帯電話機)をはじめ、一眼レフのフィルムカメラ、家庭用の固定電話機などが対象だ。報告では、日付・時刻の表示が「00年00月00日」や「0時0分0秒」で止まったり、「00年1月1日」や「1994年1月1日」といった過去の日付に戻ったりする症状が多かった。

 こうした症状の原因について、各機器のメーカーは「バグではなく仕様」と答えた。多くの製品はマニュアルに日付・時刻の設定範囲が2019年12月31日までと明記していた。

 どうして日付・時刻の設定範囲を2019年までにしていたのか。機器に組み込んだメモリーの容量不足やソフトウエアの制約だったのか。メーカーが抱える悩ましい事情が明らかになった。

カメラの仕様制限はソフトウエアとは別のところに

 2020年以降に対応しなかった要因が明確に分かったのは、一眼レフのフィルムカメラだ。「ペンタックス」ブランドで当時の旭光学工業(現リコーイメージング)が1997年に発売した一眼レフカメラ「PENTAX MZ-50」をはじめ、旭光学工業以外の古い製品でも症状が報告されていた。

 要因は、撮影したときにフィルムに日付を焼き付ける光学モジュールにあった。

 リコーイメージングはPENTAX MZ-50の仕様制限について、「当時調達できた光学モジュールの日付対応が2019年までだったから」(広報宣伝グループ)と理由を説明した。このため、モジュールと連動した時計機能や日付確認用の液晶表示も2019年までになった。MZ-50以降に発売された機種は日付用の光学モジュールを刷新し、一眼レフフィルムカメラの最後となる2003年発売の機種では制限そのものをなくしたという。

 PENTAX MZ-50の製造終了は2002年で、修理用部品を保有する目安である製造終了後7年となる2009年まで十分に使用できる設計になっていた。このためMZ-50は、2020年問題を解消する修理対応を取らないとしている。

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