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 コンテナ技術「Docker」を使ったシステム構築が一般的になるなか、サーバーのホスティングサービスやEC(電子商取引)サイト構築サービスなどを提供するGMOペパボは、あえて自作のコンテナで商用サービスを構築・運用して成功を収めている。約2年前の2018年4月に原型をリリースしてから改良を重ね、今ではピーク時に数千のコンテナを自動的に運用できるようになっているという。

性能と集積率にこだわる

 同社が自作コンテナで運用しているサービスはホスティングサービス「ロリポップ!」のうち、運用サービス付きでレンタルサーバーを提供する「マネージドクラウド」プランである。なぜ代表格のDockerを使わなかったのか。その理由を小山健一郎ホスティング事業部ホスティンググループマネージドクラウドチームプリンシパルエンジニアは「高速なレスポンスを実現し、サーバーの集積率を高めるため」と説明する。

GMOペパボの小山健一郎プリンシパルエンジニア(左)と近藤宇智朗シニア・プリンシパルエンジニア
GMOペパボの小山健一郎プリンシパルエンジニア(左)と近藤宇智朗シニア・プリンシパルエンジニア
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 ホスティング事業を手掛ける同社にとってホストサーバーの有効活用の巧拙は事業性に直結する。単純に言えば、1台のサーバーにできるだけ多くホスティングして、稼働台数を減らすことが欠かせないが、詰め込みすぎてレスポンスが落ちれば顧客が離れていくので、性能と集積率の両取りを目指す必要があったわけだ。

 マネージドクラウドプランを始めるに当たり、難題を解くために同社はコンテナを使ったシステム基盤に目を付けた。利用者ごとのシステムをコンテナ化し、アクセスが発生したときだけコンテナを立ち上げるようにして稼働台数を減らしつつ、負荷に応じてコンテナをすいているサーバーに自動的に移動させる狙いだった。

「Dockerはプリセット」

 今も当時もコンテナ技術と言えば「Docker」が代表格なことに変わりは無い。ただ同社はDockerを選ばず、Linuxコンテナランタイムの「Haconiwa(はこにわ)」を使うことにした。Haconiwaは同社の近藤宇智朗技術部技術基盤チームシニア・プリンシパルエンジニアが開発したものだ。

サービス内部の概要
サービス内部の概要
(出所:GMOペパボ)
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 Dockerよりも自社開発のほうが技術情報を得やすく、万が一トラブルが発生したときも対処しやすい面はある。ただそれだけでHaconiwaを採用したわけではないという。小山プリンシパルエンジニアは「マネージドクラウドプランに特化した使い方でコンテナをどちらが構築しやすいかで選別した」と振り返る。マネージドクラウドプランは前述の通り、アクセスがあったらすぐにコンテナを立ち上げるようにしたいが、この立ち上げ速度がDockerでは満足がいかないケースがあったのだ。