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 東芝子会社の東芝ITサービスなどで循環取引が発覚した問題で、取引の全貌が徐々に明らかになってきた。

 関与が疑われていた日鉄ソリューションズならびに、富士電機ITソリューションの親会社である富士電機は2020年2月6日までに、外部の弁護士などから成る特別調査委員会による調査結果をそれぞれ公表した。2つの発表から見えたのは少なくとも7社が循環取引に関与し、2社とは違う「某社」が公共向け案件の「秘匿性の高さ」を悪用して取引を主導していた新事実だ。

 「多大なご迷惑とご心配をお掛けしましたことを、改めて深くおわび申し上げたい」。2020年2月6日、日鉄ソリューションズの森田宏之社長は2019年4~12月期決算説明会の冒頭、架空取引に関わった点について陳謝した。「再発防止策を徹底し、信頼回復に努めたい」(森田社長)。

会見で謝罪する日鉄ソリューションズの森田宏之社長(中央)
会見で謝罪する日鉄ソリューションズの森田宏之社長(中央)
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 同社が同日公表した特別調査委員会の調査結果によると、2015年3月期から2019年4~9月期までに29件の取引で不適切な会計処理があった。29件の売上金額は合計429億円に達し、同社は同期間の決算を訂正するとした。

 上場企業の決算訂正という事態を招いた原因については、「当社の営業担当者に実在性のない取引(に関わっていたと)の認識はなく、循環取引に巻き込まれた」(調査報告書)とし、自社は循環取引の主導的立場ではなかったと強調。同社を含め7社が取引に関与していたと明かした。

「秘匿性が高く納入先は明かせない」を信じる

 では誰が循環取引の手引きをしたのか。日鉄ソリューションズは会見で、某社で公共案件の営業を担当するX氏が1人で主導したとした。X氏は「(納品先の)エンドユーザー(の身元)については、秘匿性が高い案件であるため公開できない」などと説明したため、架空取引であると気づけなかったという。

 この説明は富士電機にも共通する。2020年1月30日、富士電機ITソリューションが循環取引に関わっていた問題について説明した富士電機は、売上金額で合計241億円の架空取引が見つかったと公表した。

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