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 スマホ決済市場の草分けといえたOrigamiが再編の波に飲み込まれた。フリマアプリのメルカリ傘下で同業のメルペイにタダ同然で身売りする。通信大手などが利用者への大型還元で激しく競り合う中、資本力に劣る事業者は生き残りに向けて難しい判断を迫られている。

 「頼るところがなくなり、最後はメルカリしかなかった」――。業界関係者はメルペイによるOrigami買収の内幕をこう打ち明ける。

 メルカリは2020年1月23日、子会社のメルペイを通じてOrigamiを買収すると発表した。2月25日にOrigamiの全株式を取得し、完全子会社にする予定である。「Origami Pay」と「メルペイ」のブランドでそれぞれ展開するスマホ決済は将来的にメルペイに統合される見込みだ。

 Origamiは当初、身売りではなく、資本増強の道を模索していた。老舗のネット大手や自動車大手などが候補に挙がったが、交渉は難航し、どれも合意に至らなかった。それもそのはず。Origamiは起死回生を狙い、それまでの調達額を大幅に上回る金額を提示していたとされるからだ。

 Origamiの台所事情は火の車だった。2018年12月期の売上高は2億2200万円に対し、営業損益は25億4400万円の赤字。2年前の2016年12月期と比べ、赤字幅は約3.7倍に膨らんだ。財務状況の悪化に歯止めがかからず、「準備金にまで手を付けている」(業界関係者)との噂が流れていたほどだ。

 追い込まれたOrigamiが頼ったのはメルカリ。複数の関係者によると、Origami側が既存株主から株式を買い取ったうえで、メルペイがOrigamiを買収するというスキームだったもようだ。既存株主の中には出資時より割安な価格でOrigami側に株を売却したところもあるとみられる。

 メルペイへの譲渡額も「タダ同然だった」(業界関係者)。「優秀な開発部隊や腕利きの営業を抱えているわけでなく、加盟店数も少ない。信金中央金庫と組んで地方に強みがあるといっても、あれでは値段が付かない」(別の業界関係者)。最後に手を差し伸べたのがメルカリだった。