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資金力に勝る大手が台頭

 2016年5月に「Origami Pay」を投入し、スマホ決済市場を切り開いてきたOrigamiを苦境に追い込んだのは、資本力に勝るライバルの台頭だ。NTTドコモやソフトバンク、KDDI(au)といった通信大手だけでなく、楽天やLINEのようなネット大手も利用者への大規模還元策を連発し、体力勝負の様相を呈した。

 この流れを作ったのは、ソフトバンク・ヤフー連合が展開する「PayPay」だ。大規模還元策を駆使し、利用者と加盟店をひき付けてきた。PayPayの利用者数は2020年2月2日に2400万人を突破し、加盟店数も同1月末時点で約191万カ所に拡大した。

主なスマホ決済サービス
サービス名提供会社開始時期利用者数
LINE PayLINE Pay2014年12月約3700万人
Origami PayOrigami2016年5月非公表
楽天ペイ楽天ペイメント2016年10月非公表
d払いNTTドコモ2018年4月約2200万人
PayPayPayPay2018年10月約2400万人
メルペイメルペイ2019年2月約600万人
au PAYKDDI(au)2019年4月2200万人超

 ソフトバンクの宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)は日経クロステックの取材でPayPayの強化策を問われ「簡単な話で、金をつぎ込むだけだ。絶対に勝つ。だからソフトバンクグループにも50%分資本参加してもらった」と言い切った。スマホ決済市場の大勢が決するまで、今後もしばらく大規模還元を続ける可能性が高い。

 ソフトバンク・ヤフー連合はさらなる一手も繰り出している。ヤフーの親会社であるZホールディングス(HD)がLINEとの経営統合を決めたのだ。ZHD側はPayPay、LINE側は「LINE Pay」ブランドでそれぞれスマホ決済を手掛け、両サービスの利用者数を単純合算すると6000万人規模に達し、頭1つ抜け出す。

 ヤフー・LINE連合の誕生であおりを受けたのがメルペイだ。メルペイとLINE Payは2019年3月、加盟店アライアンス「Mobile Payment Alliance」(MoPA)を発足し、加盟店開拓の分野で協業していた。MoPAにはドコモとKDDIも合流した。しかし、LINEの方針転換を受け、2019年12月には解消に追い込まれた。

 メルカリは2020年2月4日にドコモと業務提携で合意した。スマホ決済に関しては2020年夏にもドコモとメルペイの決済サービスの加盟店を共通化したり、共同で営業を推進したりする予定だ。

 メルカリの山田進太郎社長は現時点でドコモとの資本提携の可能性を否定するが、メルペイはもちろん、主力のフリマアプリ事業の状況次第で、さらに一歩踏み込んだ連携が必要になるかもしれない。Origamiの身売りを引き金に、スマホ決済市場の合従連衡は激しさを増しそうだ。