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 パナソニックは2020年3月から、神奈川県藤沢市にある「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」でビッグデータの活用に乗り出す。事業者間でデータを共有できるようにするシステムを刷新し、データ連携基盤(都市OS)を導入する計画だ。2014年4月に街開きをして、「スマートタウン」として注目を浴びたFujisawa SSTのまちづくりは次の段階を迎えている。

Fujisawa SSTの街並み
Fujisawa SSTの街並み
(出所:Fujisawa SST協議会)
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最大1900人、住民のデータをAPIでつなぐ

 Fujisawa SSTは神奈川県藤沢市にあったパナソニックの工場跡地を活用したスマートタウンのプロジェクトである。戸建て住宅やシステムといったハードの整備は8割ほど完了し、19ヘクタールの敷地に約1900人の住民が暮らしている。運営企業のFujisawa SSTマネジメントにはパナソニックなど9社が出資している。

 Fujisawa SSTの特徴は全ての戸建て住宅に太陽電池や蓄電池、スマート分電盤を備えつけてある点だ。住民専用のポータルサイトを通して、街で展開する各種サービスなどの情報を提供しているのも特徴と言える。

 パナソニックとFujisawa SSTマネジメントはさらなる街の開発を進めるべく、各事業者のサービス同士でデータを共有できるようにして、新しい事業やサービスを検討しやすくする考えだ。これに向け、今回、ポータルサイトのシステムを刷新し、データ連携基盤(都市OS)を導入する。

 都市OSはデータをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携できるようにする機能を備える。具体的には住民の属性情報のほか、スマート分電盤によって収集する各家庭の電力使用量、街で各事業者が展開するサービスの利用状況などのデータが連係できるようになる。これにより、事業者が住民の年齢層や生活スタイルを把握して、サービスの規模を決定したり住民にイベントを知らせたりする作業の効率化を図る。

 「街が進化していくためにオープンイノベーションを進めていきたい。新しく街に加わる企業がサービスを展開しやすい環境を作る必要がある」。Fujisawa SSTマネジメントの荒川剛社長は都市OS導入の狙いをこう話す。街のポータルサイトは、各事業者が展開するサービスとAPIで連携させて、今後MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)や遠隔教育といった新サービスが出てきた場合にも対応しやすくする。

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