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 厚生労働省は資本金が1億円を超える数万社の企業を対象に、2020年4月から企業が行う社会保険などの行政手続きの電子申請を義務化する。対象企業は経済産業省が整備した法人向け認証サービス「gBizID(GビズID)」を利用すれば無料で電子申請ができる。

 これまで行政機関に電子申請をするには、認証サービス会社の電子証明書の取得が必要になって費用がかかった。GビズIDの取得は無料だ。行政機関の窓口に出向かなくても24時間365日いつでも電子申請が可能になる。そのためGビズIDの利用企業が急増しそうだ。GビズIDの利用企業が増えると、行政機関がクラウドサービスを利用して電子申請システムを構築する動きが加速する可能性がある。

 厚労省や日本年金機構はGビズIDで社会保険の電子申請が可能になるという広報活動を2019年10月に本格的に始めた。GビズIDは省庁の電子申請の種類に応じて「gBizIDエントリー」と「gBizIDプライム」の2系統のアカウントがある。

 このうちgBizIDエントリーはメールアドレスがあれば即日発行される。gBizIDプライムは経産省が法人代表者の印鑑証明書などで法人の「商号や名称」「所在地」「法人番号」の法人基本3情報を厳密に確認して発行するアカウントだ。社会保険の手続きにはgBizIDプライムのアカウントが必要だ。

 gBizIDプライムの系統で「gBizIDメンバー」というアカウントもある。gBizIDプライムの利用者が組織の従業員ら向けに、gBizIDプライムとひも付けて作成できる。

GビズIDの種類
GビズIDの種類
(出所:経済産業省の資料を基に日経クロステック作成)
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 2020年4月以降に社会保険の分野で電子申請が義務化されるのは、資本金が1億円を超える株式会社や相互会社、投資法人、特定目的会社などだ。対象企業は数万社に上るとみられる。雇用保険の被保険者資格取得届や健康保険、厚生年金保険、労働保険の一部の社会保険手続きで電子申請が義務化される。