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 ネットワンシステムズなどが絡む循環取引の内幕が徐々に明らかとなってきた。同社は2020年2月13日に特別調査委員会の中間報告書を公表し、同委員会は中央省庁向けの営業を担当していたA氏が循環取引を差配していたと指摘した。A氏は注文書を偽造するなどし、不正行為の発覚を逃れながら売り上げや利益を不正に水増ししていた。

 中間報告書によると、循環取引を差配していたのは、東日本第1事業本部第1営業部営業第1チームのシニアマネージャー(当時)だったA氏。A氏が所属していた営業第1チームは中央省庁を担当。2019年11月1日時点で9人が所属していた。主に中央省庁ごとに担当が分かれていたという。

 不正行為は2015年2月ごろに始まり、2019年11月に発覚するまで取引の規模を拡大しながら続いた。特別調査委員会が不正行為による取引と認めた案件は40件あり、受注総額は約279億円、売り上げは約276億円に達した。

 A氏は発注した商品やサービスを最終顧客の指定先に直送する「純額取引(付加価値を提供せず手数料を取得)」と呼ばれる仕組みを悪用した。中央省庁の案件の落札業者(図内の甲社)から物品の調達・納入を受注する商流取引にネットワンが入っているかのように装い、売り上げなどを水増ししていた。

ネットワンシステムズによる循環取引の資金移動のイメージ
ネットワンシステムズによる循環取引の資金移動のイメージ
(出所:特別調査委員会の中間報告書)
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 A氏は不正行為の発覚を避けるため、注文書を偽造したり、案件名を「省庁向け物品等一式」など曖昧にしたりしていた。疑問を抱く部下に対しては「銀行がお金を回す必要があってこのような取引があり、悪いことをやっているわけではない」などと説明。「おまえ疑っているのか」と叱責し、追加の質問を受け付けず、指示に従わせることもあった。