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 法人税などの電子申告が義務化される件で、対象企業は対応を迫られている。今回の義務化で最も厄介なのは、会計システムなどにあるデータを規定の形式に変換する作業だ。「半角カナ」が使えないなど細かいルールがある。IT部門の支援が必要だ。

 「電子申告義務化」の対象は、法人税法で「大法人」と呼ばれる資本金が1億円を超える株式会社や相互会社など。国内に約3万社あるとされる。

 2020年4月以降に始まる事業年度から、法人税や地方法人税、消費税、地方消費税を申告する際に、国税の電子申告・納税システムである「e-Tax」を利用しなければならない。対応しないと最悪の場合、追徴課税の対象になる。

 義務化における最大の変更点について、会計ソフトなどを手掛けるTKCの富永倫教執行役員は「申告に必要な全ての書類を電子化しなければならなくなったこと」と説明する。

 具体的には、申告の“本体”である「法人税申告書」などに加えて添付書類もデータで提出しなければならなくなった。

 主な添付書類は、貸借対照表や損益計算書などの「財務諸表」、勘定科目の内訳を記載した「勘定科目内訳明細書」の2種類である。

 現状では、法人税申告書だけデータで提出する企業が多い。添付書類については紙で印刷して所轄の税務署に郵送したり直接持ち込んだりするのである。今はその方式でもよいが、今後は原則、認められなくなる。

電子申告が義務化されると添付書類の郵送や持ち込みが認められなくなる
電子申告が義務化されると添付書類の郵送や持ち込みが認められなくなる
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 TKCが同社主催のセミナーで参加者1000人にアンケートしたところ、59.6%が法人税申告書を電子データで送付していた。しかし、添付書類である、財務諸表では3.7%、勘定科目内訳明細書では3.9%の電子化率にとどまっているという。

 これまで添付書類の電子化が進まなかった理由は、e-Taxにアップロード可能なデータ形式が限られていたからだとされている。財務諸表はXBRL形式、勘定科目内訳明細書はXML形式のみだった。

 そこで国税庁は義務化に当たってデータ形式の制限を緩和。XBRLやXMLに加えて、より一般的に普及しているCSV形式でも提出可能とした。

 CSV形式で添付書類のデータを送付する際の大まかな流れはこうだ。(1)財務諸表や勘定科目内訳明細書の元データを用意する、(2)国税庁が公開しているExcel形式の「標準フォーム」をダウンロードし、フォームで指定されている列に元データを貼り付ける、(3)ExcelでCSV形式に出力する、(4)e-TaxにCSVデータをアップロードする、である。

 流れだけを見ると簡単そうだが、細かい部分で注意が必要だ。主な注意点を紹介しよう。

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