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 メルカリは2020年2月20日、中核事業であるフリーマーケットアプリ「メルカリ」を強化する新戦略を発表した。様々な新施策に共通するのは、消費者と生活動線上で接点を持つ「リアルに強い異業種」との協業だ。

 ファッション流通大手の丸井とは個人の出品を支援する有人店舗を共同展開し、NTTドコモとは携帯ショップでの無人ポスト設置で協力を仰ぐ。消費者に近い異業種の力を借りることで、メルカリ事業が抱える課題を一つひとつ解決する試みだ。

新戦略を発表したメルカリの山田進太郎社長兼CEO(最高経営責任者)
新戦略を発表したメルカリの山田進太郎社長兼CEO(最高経営責任者)
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 フリマ市場の伸びを阻んでいるのは出品する利用者や出品頻度の伸び悩み。「梱包や発送が面倒」「売った経験がなく手を出しにくい」など、利用者が感じる煩わしさが背景にある。今回の新戦略はメルカリが自らの課題を直視し、埋もれた中古品の掘り起こしで再び成長を取り戻そうとする「正攻法」といえる。

出品から発送まで、手間をとことん減らす

 メルカリ事業における出品物の流通総額は2020年度(2020年6月期)に前年度比30%増を計画していたが、最新予想の伸び率は20%台中盤にとどまる見通し。2019年7~9月期までは2四半期連続で流通総額が前期割れしするなど伸び悩みが目立っていた。

四半期ごとのメルカリの流通総額。2019年7~9月までの2四半期は前期割れだった。10~12月期は毎年冬物衣料が流通する季節要因で毎年伸びる。
四半期ごとのメルカリの流通総額。2019年7~9月までの2四半期は前期割れだった。10~12月期は毎年冬物衣料が流通する季節要因で毎年伸びる。
出所:メルカリ
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 伸び悩みを打破するためにメルカリが選んだ協業先は、丸井、ヤマト運輸、NTTドコモ、パナソニックなど、リアルの事業を手掛ける大企業だ。

 丸井とは、売りたい私物を持ち込んで出品から成約後の配送までを支援する有人店舗「メルカリステーション」を2020年春から共同展開する。写真撮影ブースを設けてスタッフが撮影術を指南するなど、丸井が店舗運営に参画して出品ノウハウを消費者に発信する。出品経験者を増やし、取引を活性化する狙いだ。

 無人ポスト「メルカリポスト」の設置についてはNTTドコモと協業する。アプリ画面をかざすだけで発送先シールを発行でき、梱包に貼り付けてすぐ投函(とうかん)できるなど、発送手続きを大幅に簡略化する狙いだ。NTTドコモの携帯ショップ以外の協業先も開拓し、2023年までに5000カ所への設置を目指す。

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