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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は2020年2月13日、秋田県大館市の三菱重工業・田代ロケット燃料燃焼試験場で、現在開発中の次世代衛星打ち上げ用ロケット「H3」の第1段に使用する「LE-9エンジン」の「厚肉タンクステージ燃焼試験(BFT:Battleship Firing Test)」を実施、報道向けに公開した。

2月13日に実施したLE-9エンジン第8回BFTの様子
2月13日に実施したLE-9エンジン第8回BFTの様子
(撮影:松浦晋也)
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第8回BFT中のLE-9エンジンのアップ
第8回BFT中のLE-9エンジンのアップ
(撮影:松浦晋也)
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LE-9エンジン第8回BFT中の様子

(撮影:松浦晋也)

8回予定したBFT最終回を実施、「良好な性能を得られた」

 公開されたのは8回実施するBFTの第8回目で同時にBFTとしては最後の試験となる。LE-9は、現行の「H-IIA/H-IIBロケット」第1段に使われている「LE-7Aエンジン」に代わる、新しい国産第1段用エンジンで、H3第1段ではLE-9を2基、ないし3基使用する。8回のBFTのうち、1回目から5回目まではエンジン2基で、6回目から今回はエンジン3基で実施した。

 BFTはエンジン本体と本体相当の推進剤タンク、配管を組み合わせた燃焼試験。H3ロケットに組み込むときと同様に、エンジンの縦方向にタンクを配置し、実機と同じ配管系統でエンジンに推進剤を供給する。エンジンや配管、配置は実機そのままだが実際のロケットよりも丈夫な推進剤タンクを使うことか ら「厚肉」「戦艦(Battleship)」と呼ばれる。

結果報告を行う三菱重工の新津プロジェクトエンジニア
結果報告を行う三菱重工の新津プロジェクトエンジニア
「クイックルックでは良好な性能が得られている」とした(撮影:松浦晋也)
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 報道陣に公開された第8回BFTは、燃焼時間40秒。終了後の記者会見では「試験は予定通り行われた。得られたデータは今後精査するが、クイックルックでは良好な性能が得られている」(三菱重工・防衛宇宙セグメント宇宙事業部技術部H3プロジェクトエンジニアの新津真行氏)と発表があった。