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 日本やシンガポールといったアジア地域で、「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような電動の垂直離着陸(eVTOL)機を利用した「空飛ぶ(エア)タクシー」がにわかに現実味を帯びてきた。都市部でのエアタクシーや「空のライドシェア」のような空のモビリティーサービスは、「UAM(Urban Air Mobility:都市型航空交通)」と呼ばれる。2020年2月に入り、UAM実現に向けて東南アジアの配車サービス大手や、日本の大手航空会社に商社、保険会社などがそれぞれ、海外のeVTOL機メーカーと相次いでタッグを組んだ。これまでアジア地域では、中国の新興企業EHangを中心に、中国の動きが目立っていた。ここにきて、東南アジアや日本といった中国以外のアジア地域でも、UAM実現に向けた動きが盛んになりつつある。

 今回の動きの中心にあるのが、ドイツの新興企業ボロコプターとヘリコプター大手の米Bell Textron(以下、ベル)といったeVTOL機を開発する機体メーカーである。ボロコプターは2020年2月18日、東南アジアの配車サービス大手であるシンガポールのグラブ(Grab)との提携を明らかにした(発表資料)。UAMの可能性を探るためにMOU(覚書)を締結。その一環としてフィージビリティスタディー(実行可能性調査)を始める。

 グラブは2012年に創業した配車サービス大手で、累計で40億回以上のユーザーによる乗車を達成した。配車サービスを軸に決済や金融、食品配達など、日常生活に必要なサービスをワンストップで利用可能にする、いわゆる「スーパーアプリ」を提供している。同社のアプリは1億6300万台超の機器にダウンロードされているという。2018年に、競合のウーバーの東南アジア事業を買収するなど、東南アジアで不動の地位を築いている。

ボロコプターとグラブが提携
ボロコプターとグラブが提携
(出典:ボロコプター)
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