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 ぐるなびがログデータの分析基盤システムの整備を急いでいる。2018年に蘭エラスティックのクラウドサービス「Elastic Cloud」を導入。2019年後半から各事業のサーバーとElastic Cloudのサービスを連携させ、誰でも手軽にログを分析できる基盤を整えている。

 ログを素早く分析すれば迅速な障害対応が可能になる。しかし、ぐるなびが分析基盤を整えている理由はそれだけではない。ぐるなび 開発部 Engineeringセクションの岩本俊明 副セクション長はログから訪日予定の外国人の動向や訪日中の行動なども把握し「今後のインバウンド(訪日外国人)向け事業戦略などに役立てる」という。例えばアクセスログを解析してキャンペーンを打つタイミングを調節したり、利用者が訪れたい飲食店を的確に薦めたりすることが可能になるわけだ。

 ぐるなびはログ分析の基盤システムにElastic Cloudの全文検索エンジン「Elasticsearch Service」を導入した。クラウドやオンプレミスのサーバーから出力されるログを一括して検索する。現在は全てのアプリケーションやネットワーク機器などから取得されるデータを検索できる環境が整ったという。「データ約50種類、約500億件のドキュメントを検索できる」(岩本副セクション長)。

ぐるなびが構築したログ分析基盤
ぐるなびが構築したログ分析基盤
(出所:ぐるなび)
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最新版の導入を徹底する

 「最新版がリリースされたら可能な限りアップデートしたかった」――。岩本副セクション長はElastic Cloudの導入理由をこう話す。バージョンアップごとに新機能が追加され、運用負荷の低減につながるからだ。例えば最近のアップデートにはログの検索機能やサジェスト機能などが加わった。同機能により「ログの検索にかかる時間が短縮され、ログの検索時にうまくヒットしないという相談もなくなった」(同)。

 Elastic Cloudを導入する前、ぐるなびは「Elasticsearch」のオープンソース版をオンプレミス環境で利用していた。しかしオープンソース版の運用は「アップデートがとても困難だった」(岩本副セクション長)という。オープンソース版のElasticsearchはマイナーアップデートでも「互換性がないものがあった」(同)からだ。例えば旧バージョンで使えていたフィールド名がなくなったり、名前が変わってしまったりすることがあったという。